2015年1月29日木曜日

発売直後・『月刊群雛 (GunSu) 2015年 02月発売号(1周年記念号)』レビュー!!


月刊群雛2015年2月号本誌の方のレビューです。こっちには私は原稿書いてないけど、読んで面白かった。

 あと、2月号本誌と別冊の概観、総括も。ほんと、次のステージへ、なんだなあ。

 ちなみに別冊の方のうちのレビューはこちら。>>


■「ハハとムスメ」 ココキユミ

 面白いなあ、なんか日常系のマンガみたいな軽妙さだな、ありそうだけど、なかなかこれはうまく書けない日常だな、それがよくでているなと思ったら……、あれれれれれっ!! なんと!!

 よくわかんない、って作者さん、インタビューで書いてるけど、この奇妙さ、シュールっていうのがこの作品の味わいだと思う。

 すごく地の文が安心して読めて、シーンの描写も安定しているだけに、内容のシュールさがより効いている感じ。

 コミカルで、凄くシュール、そしてすごく読後感がすごく切ない。だけど、やっぱりコミカル。それがいい。読後感がホント、切ない。

 すごく個人的には無茶ぶりだけど、このあとどうなっていくのかも、いつか書いて欲しいなと思ったり。「SFぢから」がある感じに拝見したので、すごく期待してしまう。



■「デリヘルDJ五所川原の冒険」 第5章 ハル吉
 
 おお、どんどん軌道に乗ってきた感じがする。素敵な感じ。
 DJの冒険、今回は子供相手だっ。子供相手にDJがキマるのか!っていうところ。

 ううむ、これは実際やってるところがすでに頭に思い浮かんで楽しいけど、これはさらに「のだめカンタービレ」(古い)みたいに実際に映像化・ラジオドラマ化されたらすごく聴きたいぞっ!! 音楽が聞こえる文章がいい。
 織り込まれた音楽ネタ、子供ネタが細かく、とても楽しい。よく細かく作りこんでるなあ。それでいてするすると世界に引き込まれる。とても好ましい。
 そういや作者さん、定期的にGoogleハングアウトでDJやってらしたっけ。今度拝聴してみよう。これはもう聴かずにいられない。イカス。とても好み。うまい。すごく読後感がいいよね。




■「新約幻想ラボラトリー」 花笠香菜

 うおお、SFだっ。まごうことなきSFだっ。

 未来世界の研究所が舞台。シーンがすっと思い浮かぶのが、私にも、SFそのものには詳しくはないけどSF大好きな血が流れているので、それが騒いでしまうのだと思う。

 小難しさに陥らない、感じの透き通ったいい感じのファンタスティックさが素敵なSF世界を作っている。ディテールの積み重ねもいい。

 なるほど、結構そういう情報源もあるのか。それは強みだし、それがよく活かされてるよなあ。
 懐かしの「理系だけど文学わかってる人」が書いたSFのような、頭の明晰さを感じて、読んでいて心地いい。往年の瀬名秀明さんを思い出しちゃったよ。

 スッキリ読めて、それでいて緻密で繊細。
 こういうのって、サクサク読めるけど、書く方はすごく地味に時間かかるんだよね。

 これは本編を俄然読みたくなる感じ。成功していると思う。




■「異世界構築質問リスト5」 神楽坂らせん

 労作のツール最終回。本当におつかれさまでした。こういうものがあるのが「群雛」の人たちのなかの楽しさと有効性、意義あらしめられてるところだよね。ただの群れじゃないところ。

 最後まで秀逸である。日常生活篇であるが、そのなかの、

「排水管が逆流したとき、あなたは誰に電話しますか」だけでも、なるほどねえと思う。さすが。

 この一つの設問だけで、世界観作りこんでたら短編がかけちゃうよ。というかそれぐらい作りこんでないとね、と思う。上下水道と衛生システムの問題は深いもん。ほんと、作家としてちゃんと書いていきたい人は、これを例題と思って書いてみるといい勉強になると思う。「オレは現代ものしか書かん」なんて人、言い訳は不可。現代小説としてこれを書いてみるべし。慣れてきたら、それをテイスト変えて作ってみるのもいい。ドキュメンタリー、ホラー、サスペンス、推理とそれぞれ書けるはず。

 ほんと、チェックリストと言いながら、世界観を構築するだけじゃなく、構築したものをモチーフに応用して話を書くヒントがどっさり。有益だなあ。ツールとしても、読み物としても。

 お疲れ様でした。豊富な読書量が遺憾なく発揮されたと思う。
 連載終了後も楽しみ。またいろいろやってみて欲しいなあ。



■「とある精神病者の手記」 君塚正太

 いきなりズシッととタイトルから重い。そして本文もぐぐぐっと重い。書かれている考えていることのぐにゃっとしたウネウネ感がほんと、独特のこの病の感じだよね。私も罹ってるからすごく分かる。若い頃、こんな感じだったなあ。私もこういうの書いてた頃しんどかった…。でも、ほんと、この病は書き留めて、考えをすこしずつ固定しながらやっていくと予後が良い。とくに症状を明確に言えるようになると医師も治療の方針が立てやすくなるし。

 リアリティというよりリアルな作品だなと思った。



■「ワナビ売上げでコロッケを買う」 婆雨まう

 エッセイ。真摯に書かれてて好感が持てる。でもほんとのことだよね。とはいえ、このホントのところに辿り着くまでどれだけしんどい思いをするか。
 私もほんとだよ、と思うまでいろいろあったよなあ。正直、ありすぎた。
 でも、KDP作家と読者、という関係についての記述は面白いかも。
 それはこれまでの既存出版、紙媒体の出版とはかなり違う観点だから。
 そこらへんの掘り下げを期待する方は本編読みたくなるなあ。




■「井の頭cherry blossom ~restart~ The Blue Marble」
   くみ / 魅上満(イラスト)

 連載第4話。まさにブルーマーブルな色彩の文体世界な宇宙開発も、だんだん宇宙に近づいてきた。2人のさまざまな周りの話も充実してくるし、また2人の関係もまた深くなっていく。とても繊細な世界。

 個人的に宇宙は荒々しい世界だと思う。熱媒体になる空気がないので、日向は灼熱、日陰は極冷というだけで構造物、宇宙ステーションや宇宙船、宇宙服はすでに過酷環境。そのうえ宇宙放射線もあればデブリもあれば、運動する物体は物理法則のまま、容赦なく運動し、衝突するときは運動エネルギーそのままに破壊をもたらし、離れるときには容赦なく永遠の別れとなる。まさに極限の世界だと思う。

 作品世界も、宇宙船があるとはいえ、技術的にまだ宇宙が私の作品のように普通に観光に行けるとかでない。まだ宇宙開発時代で、民間による宇宙開発が進んでいくところで、この繊細な二人がどうやってそれに向かっていくか。しかし決してそれは英雄譚ではない。英雄ではない優しい二人が、互いをいたわり合い、愛しあう。着実に近づいていく宇宙を前に、切なさもまた大きくなっていく。

 話が進んでいくのがもどかしいようでいて、実は怖くも切なくもあるその物語が、また一つ進んだ。

 挿し絵も相変わらず綺麗である。カラーでもご覧ください。紙で買っても電子版読めるし、電子版は端末をかえればカラーで見られますので。




■「Fと成りうる者」 初瀬明生

 「祠に触ると死ぬ」という都市伝説、噂の話。第二次世界大戦のころの話が絡んできたり、その噂を広めたと思しき高校生が……。

 ほんと、日常の中でも暇で退屈な高校2年を過ごす二人のなかに、その噂が、少しずつ小さ変化、違和感を起こしていくホラー。

 そのすごく小さな違和感が、どんどん広がっていくのだろうけれど、読んでいる私の心にもそうやって広がっていくので、そこでサンプルとして成功していると思う。
 すごく気になってしまう。まだ小さな変化だけど、すでにそう思わせる力がある。本編読みたくなってしまう。



■「頽廃のキルケゴール」 晴羽照尊

 ひきこもりの幼なじみの「あーりん」と私が、生きることと死ぬこと、デジタルなtrueとfalseしかないような世界のなか、高校時代を生きている話。記憶、意識、心、解釈、そして選択の世界。
 その言葉のその内奥にはほんと、あの自我が不安定な成長途上の生きにくさへの苛立ちが流れている。
 そしてその苛立ちの季節をを乗り越えるには、選択じゃない選択しかないけど……。

 ううむ、私も歳取っちゃったなあ、と思わされた。
 私みたいな40歳超えたおじさんになると、こういうの、正直、書けなくなっちゃうんだよね。いろいろと難しくて。でも興味をもたせる。


■「ヴェニスンの商店」 波野發作

 SFだけどスペースオペラ、というほど仰々しくない。とはいえガジェットはすごく入り組んで凝った作品。というか、この作品、物語性よりガジェットの多彩さがモチーフなんだと思う。

 そんな多彩なアイディアあふれるガジェット満載の作品世界のお話。

 これも私には書けない世界だなあ。世界観としてはありなんで、興味深いけど、やっぱり書けない。そういうところで興味を持った。

 個人的にはこの世界の技術的な発展の歴史がどうやってこうなったのかがすごく気になる。文明というか技術的には、いろいろアンバランスなんだけど、それでも全体として交通とか通信とかが恒星間でバンバン行き交ってるのがどうやって成立してきたのか。
 現代的な文化もある世界なのに、そういうどこかちょっと懐かしいSFの匂いがあると思った。そういやスラップスティックSFなのね。




■「八」 竹富 八百富

 うわあああああ。
 音大を舞台にしたホラーなんだけど、血が流れるわけでも死人が出るわけでもない。怪我すらしない。

 ただ、鬼教師の鬼っぷりがすごい。いやすごいなんてもんじゃない。

 だいいち、ふるってるのがこの鬼先生の登場の時の言葉! ほんと、「バトルロワイヤル」のビートたけしのやった教師の音大教師版か、っというよりずっと怖い!

 マジで怖い! 異色だけど、まさにホラー。こええええええ! そういうところで成功してると思う。でも、さらに、これ、そういうことなのか…ぐわああああ。すげええええ。

 余計に書くとほんと、この話の凄さをスポイルしてしまうので私からはこれ以上は差し控えるけど、これはぜひ読んでください。マジで。



■表紙 雅日野琥珀

 おおー、月刊群雛2014年3月号の表紙の方だー。安定してるなあ。
 1周年にふさわしい、綺麗で素敵なイラストである。まさに眼福。物語性もあるけど、まとまりもよく、綺麗だねえ。


■編集後記

 くつきちよこさん、はじめましてー。おおー、編集に新メンバーとは心強い。よろしくですー。

 晴海さん そうなのですかー。人に歴史ありですねー。今私もすこしお勤めでそういう仕事してます。真似事ですけどね。ほんと、色んな発見がありますよね。

 竹元さん 本って不思議ですよね。何がきっかけになるかわからないです。でも、世にでるべき作品は、何があっても世にでるんですよ。売れる売れないを超越して。でもそれだと商売は成り立たない。難しいけど、だから群雛が面白いし、こうして私もレビューを書いちゃうんですよ。

 鷹野さん なるほどですー。実は私のお勤め、その日本独立作家同盟の次の展開の形態に少し係る仕事なんですよー。私個人はアドバイスできるほど詳しくないのですが、今度お勤め職場にその関係の役所の人が説明に来たりしますよー。ともあれ正しい方向だと思いますー。





■■で、総括。


 別冊のレビューの方に総括書いてませんでした。すまぬ。というわけで2冊まとめて。

 で、この月刊本誌のほうと別冊同時刊行。2冊読んで、どちらも素敵でした。別冊も楽しかったけど、月刊の方も楽しかった。でも鈴木みそさんが言ってたように、別冊のテーマ特集という雑誌としての方向が決まってるのもまた面白いいなあ。でも群雛のもともとの福袋的な性格も捨てがたいので、2冊刊行というのは良かったと思う。


 そこで今回から初回定価が改定されたのもまたあり得る方向だなと思う。やっぱりお金払って読んでもらうというのは、読む人に対する意識が違うから。

 買いやすくなったけど、でも結構こういう電子書籍って、価格より取引コストの問題が結構デカイのね。そこで多ストア展開も正しい。それでも買ってくれる方がいるのはありがたいんだけどね。でも、リピーターがついて毎回追っかけてもらうとか、さらにはとりあえず買っておく、という需要を目当てにするというやり方が群雛みたいな存在にいいかどうか、というと、じつはどっちでもない気がする。


 ただ、価格を変更できるっていう柔軟性ってのは、十分実験していいことだと思う。新しく買いたいって人が増える可能性もあるし。それに少しずつ、書き手も編集さんもまた新たな人が入ってきているし、そういうところでの事業継続性ってのを考えると、今後の方向へも正しいと思う。


 あんまり気の利いた言い方でないし、役所的で好きな言い方じゃないけど、でも群雛って、インディーズ作家支援ってのが、「社会実験」に進んでる気がする。

 ダイレクトパブリッシングってのが、実際はこれまで個人<対>複数個人だったんだけど、それが幅が広がって、同志<対>社会になってきているなかで、文芸の未来はどうなるかを探る、実験のような。

 もともと雑誌ってのは団体戦で、そのうちの誰かを目当てに買うと、一緒に掲載されてる新人を読者に発掘してもらえる、っていう考え方もあった。

 それが、商業的な要請で、どれかが当たると、その方向に最適化してその方向の作品をずらりと並べる、ってのもやられてきた。でもそれでコケたのが最近の一般企業だったりする。最適化しすぎて、状況が変わると簡単に対応できなくなるというのだけど、紙の雑誌でもそれが結構あった。


 で、彼らも今悲惨になってるけど、でも考えてみると、それって単なる損益分岐点の移動の問題だった気がする。

 だいたい、もともと利益が簡単に出せるようにコスト圧縮ができれば、昔みたいに最適化にこだわらず、編集部の編集力を自由に発揮した雑誌づくりもできると思うのね。ただの貧すれば鈍するだけなので、それがコストの問題が解決すれば、それでオーケーみたいな。

 となると、群雛のアドバンテージみたいなもんは、実はヤバイことになる。なにしろいずれ紙の雑誌がどんどん雪崩を打って電子に移行してくると思う。今は彼らは変化に対して怯えているけど、いよいよ割に合わなくなったら、イチかバチかでそうするだろう。

 その時が早ければ、紙雑誌の編集部の資産であった編集力が、そのまま電子に持ち込まれる。そして、自由を彼らは取り戻す。それに群雛みたいなのが優位を保ち続けるのは容易ではない。彼らの蓄積してきたノウハウはすごいから。

 とはいえ、彼ら紙雑誌もつまらんプライドでもたもたし続ける可能性もある。それまでに群雛のほうが力をつければ、彼らとは別の世界を構築して、彼らがようやく電子に移行したところで揺るがない橋頭堡を構築し終え、対抗し得るかもしれない。


 結構そこらへん、乾坤一擲の勝負な面白いところはあるけど、そこで、勝負をしない、うちはうち、って言うのも正しいんだけどね。

 まあ、私的には群雛みたいな存在がとても面白いので、頭の古い連中にはいつまでも紙と電子書籍がつぶしあうなんて20世紀の世界観でやっててほしいと思うけどね。あの、もう紙と電子書籍の併売なんてとっくに始めてて、しかも全体では電子書籍と紙書籍は補完関係と相乗効果上げつつあるって、数字も出てるんですが。まあ彼らには目が節穴のままでいてほしいと思う。

 どっちみち、群雛は社会実験としての規模を拡大しつつある。注目されてるところであるけど、やっぱり挑戦者側なのだから、どんどんいろんなことに挑戦していく方がいいし、そのためにも読んで参加、書いて参加という感じで、好きだからやるというのでいくのが楽しいし、正しいと思う。そして、好きで楽しいことは継続しなきゃ、モッタイナイ。


 そして、もし継続していけるなら、それは喰い合いではなく、高め合う関係で既存の雑誌と張り合っていけると思う。その力が生まれつつあると思う。

 昔、文章を書くのは文芸という芸かもしれないけど、私的にはホビーという捉え方もあるんじゃないかな、と書いたことがあったと思う。芸術というともう専門の教育うけて、生活できるぐらいの利益も、社会で通用する名誉も出して、ってマナジリ決しないと出来ない感じになっちゃう。

 それはそれであってもいいけど、でもそうでない楽しみ方もあるんじゃないかな、と思う。プロとかアマチュアとかじゃない軸で、本当に面白い、ほんとうに楽しい、を目指せる懐の広さ、自由さのある場もあっていいんじゃないかな、と。

 そういうホビー的な文章のニーズを拾いつつ、既存文芸雑誌に拾えないところも拾えるような体力を持てれば、群雛ってそこで1周年やれたけど、これからも継続していけると思う。

 いつだって、新しいことは、ニッチなところと、既存のものが拾い損ねたものを拾うことで生まれる。

 群雛はそこで、雛の群れでもあるけど、雑誌としても雛であったものが少しずつ、成鳥として、そしてあらたな卵を産んで、さらに雛を増やす方向になっていくんだと思う。




 私は群雛の運営には携わってないので、こう勝手に思っているだけなんだけど、ほんと、はじめ楽しみで始めたものが、ほんとの社会実験になっていくんじゃないかと思うし、その少し先には大昔の文芸運動みたいなものになっていくような期待をしてしまうのね。
 当時とはいろんな環境や規模が違っても、質的にはそうなるんじゃないか、と。

 で、その質が変わるというのが、こういうもので一番意義があることだと思う。本質的ってそういう意味だし。


 まず1周年続けてきて、毎号がんばって書いてくれた人、編集してくれた人、買ってくれた人。

 みんな、ありがとうと思う。1年間、本当にお疲れさまでした。ほんとうに素敵でした。


 ここからどうなっていくのか。1年前私は書かせてもらいながら期待していたけど、それは1年経って、期待だけではなくなった。こうしてレビュー書くことでも携われると思う。

 もちろん絶対に上から目線になってはいけない身分だけど、私自身も変わっていこうと思うし、特にレビューすることで、すべてが変わっていくように携わろうと思う。


 これからまた1年、よろしくです。


 変化はいつだって、楽しいわけだし。

 楽しい方に賭けないわけにはいかないよね。




2015年1月27日火曜日

『魔改造のテーマ』が聞こえた・新ロビーカー着工

この前秋葉原で買ったこの子。


中古のカシオペアのダブルデッカー寝台車と、プライザーという海外メーカー製のNゲージ人形。

これが我が家に来たのであるが、こういうものは来たらただでは済まないのである。

『魔改造のテーマ』が鳴りだすのである。



まずいきなりざっくり。ダブルデッカーだったのに2階は撤去。

そして窓は1階と2階をつないで大窓化しまった。ああ、早くも惨劇が。


 反対側も大窓化。塗装だけがカシオペアのまま。

 でもね、カシオペアの窓って、山側と海側で、互い違いになってるのね。

 見通しが悪い。

 気に入らん。

 というわけで。


 さらに大窓化。えいえいえい。


 車内が大きく見える。ロビーカーでくつろいでいる様子。

 人形は仮止め。これで内装を検討。

 決めのところの人形はやっぱり海外製のほうが良いことがある。洒落てるよね。

 シングルデッキで、車両限界いっぱいに使った大空間をもつロビーカーにします。

 もともと、JR東日本が計画中のクルーズトレイン「四季島」のイメージパースに、こういうコンセプトのロビーカーがあったので、うちもやってみようと。

 参考・TRAIN SUITE 四季島 | JR東日本

 下階でダンスを楽しんでいるのを、上階や中二階から見ながらお酒などを楽しむ。ううむ、お酒が進んでしまいそうである、という感じに。

 で、天井にはシャンデリアがあったりとか。そういうの、好きなのです。




 山側ももっと大きく開けようかな……。


 窓、でけえ。

 もちろん、この窓も工夫します。


 ほんと、車内からの展望もいいけど、外からも丸見えなので、ここはまさに内装の作り込みが勝負。がんばって作り込むしか。

 手すりとか調度とか作りこむのが楽しみ。あと、照明も工夫して作らないとね。


この列車に連結するロビーカーです。


牽引機もオリジナルが多々。



こんな架空の周遊列車なのです。

1991年から模型で作り続けてるこの架空の周遊列車、

ブラウンコーストエクスプレス。

そして、第2編成として作ったファンタジアコーストエクスプレス。



時刻表風味の編成表まで作っていた。

地味に食堂車マークとビュッフェマークを作るのがシンドかったなあ。

で、これ見てわかると思うんだけど、

周遊列車なのにB寝台が多い。庶民派(笑。

でも、それは、個室寝台だと、お部屋にこもっちゃったら、それで終わっちゃうのね。

特に前に定期運行の「あけぼの」に乗った時、そう思ったのです。

やはり、旅は、共有したいよね。

そんな思いで作っています。



 さて、魔改造がどんどん進んでいます。はたしてどうなってしまうやら。

 まて続報。

発売直後・『別冊群雛 (GunSu) 2015年 02月発売号(1周年記念号)』レビュー!!

はーい、恒例月末群雛レビュー。今回はなんと2冊『2月号』と『別冊1周年記念号』同時刊行。


では、別冊の方のレビューから。

ほんと、みんな読んでてすごく楽しかった!! で、この内容でこのお値段!
すごく読み物としてコスパも戦闘力も高いと思う。


■「エブリデイ・アニバーサリー」 晴海まどか
 今回とくに驚いたのが晴海さんのこの作品。いつもほんと力あるなーと思ってたけど、今回、正直、化けた?と思った。嬉しい驚き。
 作家って、すごく作品のステージがドンッ!と上がる時があるのね。レベルアップというか。
 私のことを脇に置いて上から目線みたいですまないけど、今回、地の文にものすごい安定感がある。これ、実は前から書けてたのかな?だとしたらこれまでよほど羊の皮かぶってたのかな?と驚くほど。
 すごく風味よくしっとりしてて、モチーフ通りに書けてるんで、モチーフの選び方も違うからとはいえ、私にとってはすごい発見だった。
 前からかけてたらこっちの方がさらに私の個人的好みなのもあるけど、でもそれにしては際立って圧倒的な懐の深い文体になってると思う。
 構成も描写も深い。あの素敵なキャッキャウフフの世界のあとがこうなるのか、と思うと、作品世界が広くていいなと思う。奥行きがドン!とあったのがばっと世界観で見える感じ。そう広がった気もするし。これもいい。
 力あると思ってたけど、さらに力が出ててすげい。上から目線で書いてほんとすまないけど。
結びもいい。そうだよねと思う。あと、SF要素を途中に入れたのも正解だと思う。良い使い方。こういう読み切りで話をどんと広げるには若干のSF要素入れるのは正しいと思う。それを渋めに全体と調和させるのはまた難易度上がるけど、それも成功してると思う。
 この強化された地の文の感じの上にいつもの『キャッキャウフフ』な感じの学生とか中高生年代を書ければ、さらに鮮やかになるな、とすごい期待も持ってしまった。作品のモチーフが変わって文体が変わっても、地の文の息遣いとかは活かせるはず。それがすごく楽しみ。


■「愛の断想」 君塚正太
 これは、ほんと、作家の成長論になってる。憧れてる段階から進んでいく姿で、愛で切なく盛り上げていく。
 書き手って、縁とか運とかでどんどん育ってく。まず運に気づく運を拾って、さらに運に気づいて運を拾う。そのサイクルに乗れるかどうかが第一のハードルなのね。運命というか幸運というか。それは記念に値する出来事だよね。納得。
 未熟時代を描く作中作がちゃんと未熟な書き手の特徴掴んでるのも、ちゃんとそれ意識して乗り越えてる作者の安定感と思う。安定してるから、最後がすごく効いてるのね。
 でも、普通はこれ、こういう演出は書き手としてはほんと、冒険だと思う。だって、作中作と作品全体を書き分けるのはちょいしんどいし、作中作を過去の自分の習作流用するという方法もあるけど、それは現実にはなかなかできない。習作時代の自分を解体して、自身の書き手としての自信を試すという挑戦だもん。それで成功してるから、さらに自信持って書いていけると思う。というか書いてほしいと思う。



■「普通の凡退」 和良拓馬
 すげえ。
 昨日(1月17日)、とあるスポーツの観戦してきたのもあるせいか、ジャストミート!!まさにグッジョブである。
 この人のスポーツもの、すごく素敵でにいいんだよね。とにかく私の好み。今回特に好み。抑えめなな感じだけど、あっ、これ、あのことなんだ! と思ってからの高低差がすごい。
 ほんと、話ってのは、鉄道模型のジオラマ造りで学んだんだけど、「高低差」が出来を決める。メリハリだとよくわかんないかもだから書くけど、鉄道模型のジオラマで言うなら、鉄橋はすごく高いのがあって、さらにトンネルもあったほうが見てて明らかに楽しい。地形に起伏、立体感がでて、、走る列車の姿の変化も大きくなってジオラマの面積の狭さが気にならなくなる。それを走る列車に、まるで急峻な地形に挑むかのような躍動感、息吹が出る。
 逆に、なんの谷も山もないと、ジオラマがただの板に見えて、面白さがほとんどなくなってしまう。ただ線路置いただけに見えてしまうし。つまんなくなるのね。
 そこで起伏をつけると、結構辻褄が合わなくなるので難易度は上がるけど、やると絶対に見る方は楽しい。
 その起伏を作るためには、まず地平面をぐっと持ちあげておく必要がある。土台の上にそのまま作ったら谷が作りようがない。そこで、ジオラマでは板を敷いて地平面をガンと持ち上げて、そこから谷を掘る。
 で、この作品はそれがすごくできてるのね。この日がどういう日であるのかをすごく抑えめに書いてるけど、読むほうがそれがわかった瞬間、ああっ、と思うほどの深い谷ができて、すごく心に迫る。そこからはグイグイ引きつけられてしまう。ほんと、モチーフ選びのところですでに大勝利だけど、それをこぼさずに「決めた-っ!!」ッて感じ。
 最後まで引きつけられるし、終わりもまたシブい。秀逸。うまい!!
 
 
■「赤い猫」 夕凪なくも
 別冊群雛、本誌と感じが違うのが、みんな、いい意味でさらにチャレンジングだし、いい意味でさらに「無理しよう」としてるのがいい。まあ、テーマ縛り付きなんで、挑戦だし難易度高いのは当然だけど、ほんと、それでみんな、自分の限界に挑戦してるのが、すごく読んでてわかる。それがすごく素敵なのね。
 ほんと、攻めてる。みんな、ほんとにただの安全牌選ばなかったのがいい。そう思う。
 で、この作品はほんと、自分に無茶振りしてると思う。記念日でミステリ。ミステリで記念日というのはなかなかしんどいと思う。とくに動機の面でネガティブになりがちだし。
 でも、これ、そのネガティブになる危険に自分からどんどん飛び込んでいっちゃうのね。恐れずに。それがもう書き手としてカッコいいと思う。
 そのネガティブさ、ビターさ、ダークさをどうするか、興味深く、そしてハラハラしながら読んだ。私的にはスリリングだったけど、最後、なるほど、と私は思った。いい意味で裏切られたので、挑戦は成功だったと思う。推理は読み手を裏切ってなんぼだよね。ホント。

■「症例フェリックス」 絵空
 これも、実に攻めたなー、と思う。サイコホラーでガンガンに読む方を揺さぶってくる。揺さぶりガンガンかけてくるし、難易度もあげて、読者に挑戦してる。
 読者にサービスすることと、読者に媚びることは違うんだけど、これは媚びないし、中途半端なサービスしないことで、すごくロジックモンスターみたいなキャラクターと読者ががつーんと対決するように構成してる。
 このモンスターに勝てるか。結婚記念日というベタなモチーフなはずのに、全然ベタどころか攻めまくり。
 このモンスター、私には正体はなんとなくわかるけど、それはここには書かない。あとで作者にこっそり聞く機会があれば、その正体の答えがわかると嬉しいかも。それぐらいモンスターだもんね。悪役が作品の善し悪しを決める、もセオリーなんだけど、ほんとモンスターがモンスター。

■「決めた日」 神楽坂らせん
 うぐぐ、これはもう「らせんの挑戦状」状態。目一杯挑戦してる。でも往年の伝説のゲーム「たけしの挑戦状」は酔っ払ったビートたけしの思いつきを真に受けてゲームにしちゃった、という話があるけど、これは思いつきじゃない、精密に狙って読者に謎を突き付けてくる本当の挑戦。
 で、正直、私はその謎が解けなかったのね。謎の存在はわかるけど、その時点で難易度高いなあと思う。でもヒントがあちこちにあるのはわかるというか、全部ヒントだし、実際、これ、小説の形したクイズだよね。それもゲームブックとかそういう次元のものじゃない。確かにこういうのあんま見たことないなあ。
 強いて言えば、ウンベルト・エーコ先生が日本のゲームカルチャーにはまってたらやりかねないような感じ。攻めてるなあ。
 で、その謎が、作者の中でも作者がぶれてて謎だったり、問いとしてアンフェアっぽかったらすぐわかるのに、それがないのね。フェアにヒントを小説の形で出してるっぽく見えるから、なおさら解きたいのね。で、解けないから、すごく悔しいの。
 こりゃしんどいなー。難易度的には国家公務員1種採用試験の判断推理の問題ぐらいありそう。
これだと私は解けないと投げちゃうか、あとは「若干、イメージをつなぐ語の形式の形変換に甘さがあるかもで、回答が一意にならない可能性を孕んでるかも」って完全に負け惜しみでいうしかないもんなあ。
 ほんと、すごい意欲作であるのは間違いない。これが素直に誉めたようになってないようのなってしまったのは、問いにがっちり答えられない私が悔しいから。うぐぐ。すごく悔しい、キー!! というわけで狙いは成功してると思う。まさに挑戦状。問題作の看板に偽り無し。ぐぬぬ。

 ちなみにあとで聞いたら、とある作家の文体も研究したものであったらしい。ううむ、これも私の不勉強である。挑戦されて私は降参である。参った。完敗。


■「邪気眼は定年に隠る」 小林不詳
 おおー、記念日モチーフに伝奇小説!! しかも前回作よりすごく安定感が増して、その分、活劇の部分の演出が格段にシャープで雄弁になってる!
 しかも伝奇SF、さらに山田風太郎先生ばりの仕掛け!
 邪気眼というモチーフがこんなに仕掛けに発展とは。すごい。
 で、そのアイディアもいろんな文章上の安定感のおかげで、ぐっと引き立ってる。うまい!
 前に私が小説ではプログラミング言語の変数型の変換のようにイメージの変換をかなり意識しないと、と書いたけど、ほんとかっちり変換してる感じ。だから以前のに比べても、格段に読みやすいし。
 ラストもほんと、よくできてる。
 力の限界に挑戦して、限界をさらに高めることに成功してると思う。というか、これも以前拝見したのからすると「化けた」と言ってもいいかも。前のも良かったけどね、さらにいい。

■「記念運転」
 これは私の。で、挑戦は、というと、私的には…すまん、前からやってる「電車ごっこを大人げなくやって作る鉄道模型小説」なのね。だから私としてはあんま挑戦じゃないけど、でも群雛にこういう趣味バリバリのものを載せてしまうところが挑戦だったかな。スマヌ…。
 でも、模型で自動運転のプログラミングしながら、機械が奪っていく人間の仕事の現状と、それを人間が本当はどう受け止めるべきなのか、そしてそれが代わる記念日と、記念日の記念運転が、ただの栄誉じゃない、ってことを書いたの。…すまん、こう自著解説してる時点で負けだよね…芸人が自分の笑いを説明してるみたいで。
 負けついでに書くけど、これ、実は意識してるのが、電子書籍時代になって仕事奪われると思っている人たちに対しての応援歌の気持ちも入ってるの。こういう時代でも、がんばっていきまっしょい、って。

■表紙
 素敵だなあ。ほんと、群雛の表紙っていつもみんな素敵なの描いててありがたい。今回は記念日というものについての解釈がまず素敵なのね。で、それを物語性が強いレイアウトにしてる。で、それがわかりやすくてさらにいい。アイディアもいいし、画力も遺憾なく発揮されてる。色合いもまた上品だねえ。ポップな感じも素敵。インタビュー読むとまた深みがわかって楽しい。「無いものは作る」っなったのは私もです。て、うちのブログ名も「なければ作ればいいじゃん」なので、仲間だなーと思ってしまった。

■あとがき
 晴海さん、おつかれさまです。ほんと、そうですよね。この群雛のおかげで、読者をよりいっそう意識できたのは私もです。いろいろ他にも、おんなじこと考えてたんだなーと思ったり。そうですよね。群雛はほんとありがたい存在です。編集さんとしてもほんとお疲れ様でした。というか、私、いつもいちばんお世話になっちゃってる…スマヌ。

 竹元さん、わかるなあ。ググって分かることなんてごく一部だもんね。『ネットは広大だわ』といっても、ネットにある情報ってのは、未だに『誰かが書いた原稿』だもんね。バイアスは絶対にある。だったら直に会っちゃったほうがまだまだ情報量としては優位。でも、ネットで済ませられることを済ませた上で会うと、さらにいいよね。

 鷹野さーん、1周年おめでとうですー!&おつかれさまです! で、次の話って…ガクブル。行かないでー、私を置いて行かないで-(三浦あずさ(アイマス)の声で) 冗談。次のステップに行ったほうがいいのは間違いないと思う。特に今回の別冊みてて、そう思った。次のステージが楽しみ。……私、そこに一枚これまでみたいに噛めるのかなあ…。まあ、できなくても、応援したいと思う。


 というわけで『別冊群雛02月発売号(1周年記念号)』は発売中です。よろしく!

 こちらからどうぞ。>> 刊行リスト:群雛ポータル

 (ちなみに02月号も発売になってるのと、創刊号が値下げされてますので、よろしく)


(タイマーによる更新です)

2015年1月26日月曜日

NゲージのNSE(KATO)の動画を撮った。




 作ってみましたー。新カメラで初の撮り模動画です。

2015年秋葉原への旅1月・戦果確認篇と甲種回送・嗚呼スーパーエクスプレス!!

というわけで帰宅して、戦果確認。





まずLEDランタン。

防水ではないけど、明るくてデザインも良い。価格もお手頃。まさに秋葉原価格。

だれだLEDの明かりは冷たいなんて言ったのは。

ちゃんとこういう温かい光のLEDもあるのです。

これはプレゼントに。


で、分解して分析するために4番片渡り線を購入。

やっぱり買って分解しないとわからんのね。


で、なぞの中古客車となぞの人形。

これであるものを作ります。

また原型はとどめないことになる予定。ああ、魔改造のテーマソングが。

まあ、結構素敵なものになる予定。


で、実は甲種回送も兼ねてたのね。この旅。


はい、ロマンスカーのレジェンドが、我が北急電鉄に加わったのです。

ロマンスカーNSE。展望席の始まり。

そして、こう並んだのは連接ロマンスカーたち。

連接構造はロマンスカーの命である、ヨシ。(をい)


流線型がこう並ぶと、まさにロマンスカーの歴史だよね。だんだん角度が鋭角になってくし。


連接はやっぱりロマン。

いろいろめんどいこともあるけど、一度ハマると抜けらんない。

まさにロマンス。いや、ロマンス沼かな。


でも、実際、きついカーブだと普通のボギー車は、

車体の角とか真ん中がカーブから飛び出してナニだけど、

連接車はそれがないので美しいし、

それに、実際、車体の短い登山電車とも走ってたことがあるので、

小さなレイアウトでも楽しめるし、

大きいレイアウトで長い普通列車と走っても楽しめる。

じつに模型的にも楽しい存在なのです。




特に今回はKATOというNで大手のメーカーからの発売なので、

交換パーツも修理の体制も安心なので、

手を入れて、しっかりカスタム化して楽しみ、より素敵にできると思うのです。

まあ、KATOのHiSEはもう古すぎて予備パーツもなく修理不能との話も聞くけど、

できれば長もちできるよう、パーツの供給潤沢を願いたいところ。

贅沢言っちゃうと、他のロマンスカーも出ないかなと(笑

SEとか出てほしい…マイクロエースのはもう、ちょいしんどいので。



ちなみにこのNSE、連接部分がこうなっている。

進行方向にスライドさせると、パーツが樹脂の応力摩擦?でつながるという。

連結も解放も簡単。

連接車は連結部の構造が弱点になりがち。KATOのHiSEはそこが壊れることがよくあった。

かなり改良してきたなという感じだし、

しかも長く連結しすぎない固定編成のロマンスカーだから出来る方法だと思う。

ただ、雑に扱うのはやっぱり良くない感じ。

でも、前のHiSEや、マイクロエースのSE車よりは安心。

あと、気づいたのが、連接部のホロ。

ちゃんと波打ってるように作られてるのね。

実車もそうだったので、これは唸った。(知ってる世代)

よくできてるなあ、さすがメーカーだなあ、と思った。


同じ流線型でも、この鼻筋の通った感じが、独特にハンサムでいいよね。

つきだしたコンビライトもまさに昭和テイスト。




そしてなんといってもこのぐっと床の低い低重心車体。

実車はドアから小さなスロープで客室に降りていくというものだった。

デッキもなく、ドアのところにゴーンと突き出すように跳ね上げテーブルがあって

そのまま座席があるスパルタンさ。ほんと、スポーティーだよね。

ドアも半自動で、

降車時には走る喫茶室のお姉さんたちが

みんな手動でドアを開けて乗客を送り出すというスタイル。

さらにドアについている窓だけは手動開閉できた。

大きな固定窓は展望席でなくても開放的な視界が得られた。

(でもそれで暑くて冷房強化改造する羽目になったけど)

走る喫茶室でもあったけど、

走りも追求してて、メロディホーンも高らかに駆け抜けるその姿は、

ほんと、スーパーカーみたいなロマンスカーだったなあ。


スーパーエクスプレス(SE)の名を受け継ぎ、走りを期待した低重心、

屋根も低屋根。パンタグラフは高いパンタ台の上に差し上げている。

まさに突き詰めたデザイン。そのパンタグラフは東洋電機のものだったかな。

とにかくイカスのである。小田急展望席のパイオニアの風格たっぷり。


というわけで、これもしっかり手を入れてあげたいのである。

魔改造じゃなくて、ね。




2015年秋葉原への旅(1月篇)


新追兎電鉄のBトレの匠が上京するというので、迎撃。秋葉原にお出かけ発動。



まず乗ったのは8000形。でも運転台はすっかり新しくなっている。

機能的で便利そう。


相模大野をすぎる。


久々に電車乗ってゴキゲンである。


町田カーブ。ここの右下から列車の写真撮るとといいんだよね。
撮ったことないけど、撮った写真はよく見る。


トンネル入口。
小田急は昔、ビンボーなときに線路を作ったので(そのかわり全部いきなり複線電化で作った)、
トンネルは少ないのね。

入り口も、こうやって見ると、ジオラマで再現するときのヒントがどっさり。

電車は座れなかったけど、まあ、「立席前展望席」と考えて、楽しんでしまえば問題ない。

グランクラスならぬガマンクラスだけど。








トンネルもジオラマで作るので、こういう写真にもヒントが一杯。




新百合ヶ丘。メトロのこの子が来た。

この頃の奥山デザインが好きでねえ。


向ヶ丘遊園。ここから下り線は複々線に。

中継信号機が2つ。緩行線分を含めれば3つ。どんだけ中継するんだ。




複々線を快走。といっても小田急はそんなスピード出さないけど。

でも程よくスピード感があるのがいい。


ストレートだから単調ということはない。

ちゃんと作りこんでいけば、表情が出て、むしろスッキリとしたストレートは気持ちいい。

要は工夫だよね。


代々木上原を過ぎたら、この子が来た。

このMSE、ここに来る前に2連続で新宿に走っていった。

休日の朝は大活躍である。まさにマルチ。


よく見ると先行列車が見える。ちょっとつっかえている。


新宿着。もうひとつの青い子(MSE)が続いて出発を待ってる。働きもんだねえ。



今日の車止め。車止めマニアなので。

ホームドア作動用の停止位置表示器が点灯中。

こんなんも面白いよね。


中央快速線ホーム。

第3場内信号がある。ということは第2・第1場内信号もあるんだと思う。

信号多い。それだけ細かく区切らないと、列車がさばけないんだろうなあ。


反対側にはスーパーあずさが。

この形式の車輌も、あともうしばらくで交代しちゃうんだよねえ。


秋葉原についたー。



万世橋署。おつかれさまです。


待ち合わせはなんとパチンコ屋さん。もう一人の友人がスロット大好きなので。

たしかに好きになるだけ、上手い人である。ちゃんと黒字になるから凄い。




秋葉原もオサレになったねえ。

トイレにいく時に写真撮ったんだけど、トイレも綺麗。

そして手洗いで温水出るし。クオリティ高い。


とおもったらこんな秋葉原も健在。人も多いし、活気あるねえ。


なんか、こんなかんじのSF、よくあるねえ。

いつの間にか、未来になってるねえ。


で、いろいろ買って、帰宅。いきなり新宿駅に戻る。

駅のジオラマ作ってるので、そのために実物観察。


うーん、作りたい。



ちょい疲れたので、ロマンスカー。


でもこの子には乗らないのである。


車止めマニアとしては外せない。


資料資料。



車止めの先にはトレインビューのカフェが。

いいねえ、いつまでもいたいフェだねえ。

こういうの、模型でも作りたいねえ。



で、この子は見送るのである。


行っちゃった。


で、この子が来たので、乗るのである。






このドアもお客さんが乗り降りできるんだねえ。



いつの間にかこの子が小田急最古参となってしまった。

でも、顔つきが凛々しくて好きな子である。

小さい時のヒーローだったからねえ。




ざ・流線型。まさに流麗。

このあと、まさか上の運転室の窓が空いて、

そこから運転士さん(女性)が挨拶を始めるとは思わなかった。

ほんと、素敵である。まさに美風。



コレに乗ろうと思ったのは、この席がとれてしまったから。前展望席。

運転士気分。上の2階に運転士さんが乗ってて、

下の1階の展望席から前が遮るものがないのでよく見える。

この席が座席指定でとれるとわかったら乗らずにはいられないのである。

往路は立席前展望だったけど、帰りはちゃんと前展望席なのである。

椅子があるってありがたいねえ。




伝統の壁から跳ね上げるテーブル。

でも、これは実はVSEにも受け継がれてるのね。


では、出発。


展望室の天井。

このランプと間接照明が昭和末期っぽくていいよね。


夜でも展望席は素敵な眺め。


代々木上原。ロマンスカーの展望席からだと、いつもちょっと申し訳ない気分。



下北沢トンネル。

前に各駅停車がいて、つっかえて黄色信号。

トンネルが全部出来上がったら、

もっと深いところの急行線トンネルを通るので、もうつっかえることもなくなるだろう。

これも今だけ。


そして、ここから複々線。LSE、行きます!



夜の展望席もまたいいのである。

闇から闇へ、光から光へ。

独特の雰囲気、独特の温かみ。

天気のいい昼ももちろんいいけど、夜もまた楽しい。




町田着寸前。

このロマンスカー、古いので、デフロスタないから窓が曇ってちょっと残念。

ちなみに新しいVSEにはばっちりデフロスタがあります。



で、本厚木で降りる。

輸送の使命は安全である。

出発信号を指差喚呼する運転士さん。

ちなみにここで降りるときも、ちゃんと窓開けて挨拶してた。

この美風こそ、小田急をして関東私鉄の女王と言わしめる所以だと思う。

まさにロマンス。


で、見送ったのである。


旅は、あとは帰宅して終わり。

実に楽しい旅、実に楽しい休日でした。うむ。