2015年1月26日月曜日

ざ・検証。KATO複線片渡りポイント4番の構造。

鉄道模型の運転では、レールに電気を流して、それで車両を走らせ制御するのだけど、電気的に右と左のレールがどう繋がるか。とくに分岐器のところではそれを検討しないと、走らなかったり電気的に短絡して危険だったりする。

とくに自動運転の場合、それがすごく大事。
で、この分岐器を買ってきて、それがどうなってるか、調べた。


これが4番片渡り線。

ノブの片方を動かすと、2基の分岐器が連動して動く。

中でつながってるっぽい。



裏返してみる。

裏蓋は共通のものが2つ。

電気的設定をネジの付け方で変えるようになっている。



裏蓋を外す。

普通の4番分岐と違い、裏蓋を止めているのは特殊ネジではなく、普通のプラスネジ。

コイルとノブにつながったレバーがもう片方の裏蓋で半分隠れている。




で、全部外したところ。

レバーはやっぱり一体になってて、一気に2つの分岐器をてんてつさせるようになってる。

ポイント駆動コイルも1つのみ。

そして、基盤がAとBになっている。

Aには電動で分岐させるための電流を流す端子が付いている。

BはAとほぼ同じだけど、端子の部分がまるっとパターンごと省略されている。




これが電気的なキモ。これで電気の流れの組み合わせを変えている。


B基盤も構造はほぼ同じ感じ。


で、ここで気づいた。下が普通の4番分岐。上が4番片渡り。

1つの分岐あたり、設定ネジが1本少ない。

つまり、4番分岐を2つ使って渡り線を作ると設定ネジは6本。

でも、この片渡り線は1組で4本しかない。

で、よく見ると、直線側の選択・非選択は出来ても、

分岐側の選択・非選択のネジがない。


更に良く見ると、上のフログレールでレールが切れているところの下の分岐レールが切れている。

テスターで調べてみると、フログのところで絶縁、下の切れてるところでも絶縁になっていた。

つまり、両ギャップになっているっぽい。



長さはKATOの標準的な直線レールの長さと同じ。

これだとレイアウト作るときに端数が出ず、使いやすい。




木枕木レールをつないで、違和感がないかを調べてみる。




こんなかんじ。





車重が軽く車高も高いBトレを走らせて、分岐器の割り出し性能をみてみる。




バラバラの4番分岐2つでも同じように組めるけど、いろいろ変更されている。

まず、分岐を動かすノブが2つの分岐で一体になってる。たしかに個別に動かしても脱線するだけだもんね。分岐器駆動用のコイルも1つ。

そして電気的な設定ネジ。

4番分岐2つだと、直線と分岐の両方を通電するかしないかの選択できるようになってる。
でも、この渡り線で選択できるのは直線側の通電・絶縁のみ。分岐側、渡線の電気的なところは、ギリギリのところまで繋がってて、途中で右左の線路が両方とも絶縁されている。つまり鉄道模型用語でいう両ギャップになってるのね。
あとはレールのフログという交差するところの金具の通電・非通電の選択は4番と同じ。


考えてみれば、両方絶縁しておけば、片方だけつなぎたい場合はべつに電線ハンダ付けしてバイパスすればできる。
もし製造時に片方だけギャップ、絶縁してあったら、もう片方を絶縁するとしたら……分解してレールを切断して絶縁し、元に戻さなくてはいけない。
構造的にも工作的にもすごくしんどい。


つまり、両ギャップは片ギャップを兼ねる、って感じで、この片渡り線は合理的に、無難に作ってあるのね。なるほどである。


あと、買って検討したかったのが、木の枕木のレールと、コンクリ枕木レールと、分岐器部分の合成枕木で違和感がでかくならないかということ。とくに枕木ピッチがぜんぜん違う。


結論は、まあ、気にすれば気になるけど、しなければしないなあ、という感じ。まさに趣味の問題。こだわればこだわれるけど、そうなるとかなりしんどい。妥協すれば、大きな妥協でなく使える感じ。

まあ、実際の鉄道も、枕木は、材質もピッチも色々だからねえ。

というわけで、あとはほんと、使い手の趣味でいい感じ。それより使いやすいサイズで渡線が簡単に使える便利さはでかい。

というわけで、使える感じ。

ちなみに、分岐のレール抑えの線バネは普通なので、とくに割り出し性能が落ちてることもない。


うむむ、これは活用したほうが良さそう。一単位でよく使うレールがまとまってると、何かと使い勝手もいいし。


というわけで、検証してみました。でも、これ、私の今の検証ですので、活用の際は自己責任でよろしくです。ほぼ大丈夫だと思うんですが…。

まあ、鉄道模型は、失敗しながらつかいかたを学んでいくものです。

電化製品のようにメーカーに問い合わせてどうこうとか、クレームつけてどうこうというものじゃないので。そういう、あくまでも趣味のものですからねえ。





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