2014年11月26日水曜日

月刊群雛2014年12月号・発売直後レビュー!



 毎月月末恒例、「月刊群雛」の発売でーす。
 では、発売直後レビューを掲載順でー。今回私は書いてないので発売後のレビューです。

 長いです。すまぬ。でも今回、おすすめから、これだけ語りたくなる「凄い」の域に達してると思うのですよ。


電子書籍で年間1000万円稼げちゃいました


鈴木みそ 鷹野凌

 うわああ。あれってあれだったのかー、の連続の、鈴木みそさんのすさまじいKDPや電子書籍のここまでの歴史のインタビュー。すごく生々しい。数字もでるし値段も出るし実名も出るし…うわあ、すげええええ。
 商売的にKDPなどダイレクトパブリッシングのことを考える上ではすごく参考というか、事情がすごくよくわかって、面白いというのを通り越して、考えこんでしまう。
 はたして「書くこと」ってこれからどうなっちゃうんでしょうね。とことんまで安くなっちゃうのかなあ。鈴木みそさんの原稿の値段とかも露骨に書かれてたり(いや1枚あたりの原稿料なんてあんまり昔はオープンにしなかったような記憶が)。すごく生々しい現場の話。
 これは他にもレビューする人多いだろうから、これぐらいで。

 (愚痴)みんないつも巻頭だけレビューするんだもんなー。他人の創作、とくに修行中の他人の創作を読むのって、すごく自分の創作にも役に立つんだけどなあ。はっきり世評が固まってる完成品の作家の作品だけ読んでると、結局創作のために読んでるはずなのに、いつのまにか物語のただの消費者になっちゃうんだよね。群雛を読む喜びってのは、読んでレビューを書きながら、自分を省みることができるのもあるんだけどなー。(/愚痴)


計算する知性Ver1.5


夕凪なくも

 群雛での連載として構築が複雑に、奥行きを深めての登場。連載第1回。
 私としては闇屋が何であるのかというところに興味を持った。こういう物語の創作は、じつは敵役の造形でかなり魅力が決まってしまうところが大きい。どうしても主人公サイドに愛がこもってしまい、そっちを書き込んでしまうのだけど(私もそうだったりする)、でも魅力的で深みのある敵がかけると、主人公側がすごく引き立つ。ウルトラマンでも怪獣がトラウマ起こすようなモチーフと造形だからぐっとくる。さらに言えば、ウルトラマン的に作るとしたら、主人公はじつは狂言回しに近くなって、エピソードをつなぐだけで、あとは毎回出てくる敵が一回ごとに主人公に問題を投げかけ、苦しませ、変化させ、やられていくけど、その次の敵が更に現れて、という構造になっている。
 その点で闇屋の造形にすごく興味をもった。すごくいい世界構築のモチーフを掴んでいると思う。もちろん主人公側のさまざまな設定がされてこれからの物語の展開に係る定義を宣言していて、その展開が深まっていく期待も高まるけど、ほんと、この闇屋たちの造形が特に楽しみ。背後の企業とどうつながるか、時代背景、社会背景とどうつながっていくか。
 予感的なものはすでにあるけれど、作者によってそれが浮き彫りにされるのがとても楽しみ。あと、いい意味でアニメ的でもあるのだけど、映像が浮かぶけど映像にしないとわかんない、というのではなくて(それは私だよ……)、いい感じで映像が浮かぶ描写もいい。


異形者


M☆A☆S☆H

 すげえ……。超弩級の力作。おおおっ、重いっ、重いぞ! 
 クトゥルフ世界についても私はあんまり詳しくないのだけど(すまん)、でもすばらしく大きな奥行きの壮大な思考空間を感じさせる。書き込み作りこみもどっしりびっしり。たしかに執筆3ヶ月は伊達ではない。
 素晴らしく練りこまれている。すさまじく詩的でもあるし地獄絵図でもあるし黙示録的でもあるし重ねて素晴らしくSF的でもあるし。
 とても読み応えがある。だいたい、すでに引用の標示だけでもぐぐぐっと魅力がある。いいこういう話って、引用からしてすでに魅力的だもんね。
 私的な浅い類推ですまないけど、「エヴァンゲリオン」シリーズって、こういう優れたSF読んでれば、すごく納得行ったと思うのね。私もこういうSFを無意識にいくつも読んでたりしたので、あれの超世界の風景ってのはぜんぜん普通だった。なんか、世の中のSF力(ちから)が落ちてるんだろうと思う。
 これは是非みんな読んでガッツリとトラウマになってほしい。この作品はいい爪痕を魂に残してくれる。『異形』といっても殺しても罪悪感感じないような安いゲームのやられキャラではない。まさに『異形者』。タイトルに一片の偽りなし。まさに力作。すばらしい。
 インタビューで他の「群雛」著者にも影響受けてるとお書きだけど、だとしたらすごくいいことだと思う。特にこの作品はいい意味での創作上の向上心が詰まっている。創作としていい高みに達している。じつに読んでグッときました。(本項最後に追記あり)


第二の少年A 


狂気の時代君塚正太

 少年A、ときただけで構えてしまうけど、でも私も少年Aであったのだなあ、と思わされる内容。そうだよね、少年時代ってこうやって心がいろんなことに暴風に吹きさらされるように揺れ動いて、それでも頭が働いてるからがんばって解釈しようとしても、それも吹き飛ばされちゃう。
 同じ学校ものでも、ここまでガッツリ他の群雛に乗っていた学校ものの作品と全く別の視点から書かれているところがすごく興味深い。書き込み作りこみも濃厚だし、世界的にもまたぜんぜんモチーフの方向が違う。でも、これはこれで、すごく「アリ」だと思う。たしかに私もこういうこと考えてたし、その点でこう書かれてることで溜飲下がるところが多々あるし。刺激は強いけど、少年時代って、ほんとはこういうもんじゃないじゃないかなと私は個人的体験で思ってしまう。
 そしてこの体験をした少年がいかにさらに狂気を暴走させていくか、少年Aとしてどういう帰結になるのか。既刊サンプルだけど、とても興味をそそられる。良いサンプル。
 インタビューではこの後の少年の話のさわりが書かれているけど、うん、そういう方向だよね、といいながら、さらにその先には「善悪論」までいくらしい。期待できるなあ。これまた壮大な話だなあ。


異世界構築質問リスト4


神楽坂らせん

 安定して面白い異世界構築についてのチェックリスト。
 商習慣について、独占禁止法、汚染禁止法、度量衡の標準化があるかとか、国際カルテルはあるかとかギルドがあるかとか、すごい。これも作りこんだ原作者も原作者だけど、翻訳者もじつにすばらしい。
 取引記録を何に残すかとかで「タリースティック」なんてのが出てきて、ごめん世界史選択だったけどそこまで覚えてないよ、というほど細かい。
 で、毎回読んでレビューして書いてるけど、このチェックリスト、物語作りをしない方は、このリストを現実世界に適用してみると面白いよ、と。創作用ツールでありながら、異世界構築は現実世界に対する批評行為であるので、世界理解のためのヒントとしてすごく面白いの。特に今回は商習慣・ビジネスの領域なのだけど、この部分だけで十分凡庸なビジネス書よりも優れて批評的で刺激的で現実世界の理解への近道になってると思う。
 SFとかファンタジーを読むってことは、こういうところもあるんだよね。単なる絵空事じゃない。たかがSF、されどSF。役に立つかたたないかという視点で考えるのも狭いけど、でもこういう役に立つ系の効果も含んで、読書って幅が広く楽しいものなんだよね。で、読書するからこそ、その先にレビュー書いたり創作してみたりするのも楽しいのね。
 いつごろからか創作と読書が商売の絡みのせいか、分けられてしまったけど、ほんとうはすごくつながってるものだと思う。食える食えないとかそういうのは別に、読書をさらに楽しくするために書くというのはあると思うなあ。
 あと、交通・通信などのところも興味深いし、農村のところなんかは私がSFでやろうとしてるところとも関わるのですごく参考になりました。
 ほんと、このリストはいつもながらの労作だなと感心します。


髪の毛探偵 石神くん 0 ~狩野さんの憂慮~


晴海まどか

 おなじ学校ものでもここまで違うのかというこの奥の深さ。レビューでいつもながらのキャッキャフフ。って、すまん、いつもこう書いてるけど、ここには「可愛らしく、みずみずしく、軽妙で、楽しげで、快活で、明るく、水彩のような淡いけれど鮮やかな」って意味を込めてます(ほんとです)。そういうところで読んでてほんと、楽しいのね。いい意味での中間小説だし。モチーフもしっかり揃ってるし、しかもちゃんとワサビも効いている。
 そっかー、女心かー。なるほど、と思う。実に繊細にモチーフを扱って描き出している。作風が安定しているので安心して読めるし、読後感も爽やか。そして読めば読むほど、キャラクターたちの微妙な関係性がじわじわときいているのがわかって何度読んでも楽しい。
 ワサビに当たる部分がまたいいのね。うん、そういうことだよね。石神くんは確かにそうだよね!(ドン、っと机を叩いて同意)
 あんまり語ると読むヒトの楽しみを奪いそうなので、あえてレビューを短くする。この作品はしっかり浸って、しっかり楽しめる作品なので、とにかく読んでほしい。作者のこの作品世界への愛を感じてほしい。こういう世界観、私もすごく頷く所なのです。


渡洋爆撃機富嶽 -極北大作戦-


佐原晃

 作者のいい意味でメカフェチ、技師フェチのところがあふれている、好ましい戦記。露骨にバッツンバッツンに死人が出る残酷な作品ではないので、読みやすいと思う。(いやそのバッツンバッツンを私はやっちゃったのですが……ううう)
 飛んでる最中に電子回路直したり(いやほんと、実は現代の海自哨戒機P-3Cでもそういうことするのね)するんだけど、そこに謎が含まれて推理仕立てになってたりするのがどうなっていくのか。
 真空管があたたまるのを待つシーンとか、今の若い人にわかるかなあ。ボワーンと温まっていくあの感覚は独特なのだけど、こう書かれるとつい嬉しくなる。
 ほんと、飛んだ状態でいろんなドラマになるのが面白い。というか、この話はどれぐらいずっと機内の話で進むんでしょうか。機内の話だけでじっくり進むのも楽しいと思う。途中さらに格好いいシーンもある。ああいうの、いいよね。
 とにかく私もメカフェチとして楽しい。ちなみに戦記ものでは戦闘シーンはエロスなシーンと同じという説があるのだけど、この作品ではフェチのフェチたるところで抑えめなのがいいのかも。ガツーンガツーンのモロ出しではないところが渋くて個性なのではないか、とモロ出しの私が書いていいのか、そもそも上から目線っぽく見えたらすまないですー。ともあれ戦記もがんばって書いていきたいなと思うのです。群雛に架空戦記載せたの私と作者の他にいないし。たしか。
 ナカーマ、と思ってしまうので、応援したい。


井の頭Cherry blossom ~restart~ The Blue Marble


くみ 魅上満

 連載第3回。繊細な世界ながら、宇宙飛行士候補生の話なのに宇宙飛行士養成訓練のシーンがほとんどないことが実は少し気にかかってたけど、今回、その理由がはっきりわかる。
 特にモチーフとして、宇宙飛行士の仕事や技術的なことは書かないで、宇宙飛行士候補生としてのプライベート、とくにすごく近いプライベートのところにフォーカスを合わせるのが主眼なんだなというのがよくわかったし、理解できた。
 確かに宇宙飛行士ものとなると宇宙へ行くこと、宇宙飛行士としての使命みたいな勇ましさとか苛酷さとか技術的困難さに目が向いちゃうし、そういう作品はいくつもあるし、すごくヒットもしてる。だからこそ、その方向はほぼ捨てて、すごく内面、ごくプライベートなところをモチーフにしてる。ちょっとフェチっぽいところもあるかもだけど、でもそういう精神世界が主眼と理解すると、すごく響いてくる。だからこそ、そういう限定で書いている世界に、外的世界である宇宙開発の現実とか宇宙開発競争とかの事情が持ち込まれると、たしかに苛酷だよね。良い演出になる。
 こういう宇宙飛行士候補生もいるのかもしれない。たとえば過酷な環境の自衛隊の潜水艦なんかだと、適性試験で容赦なく適性のない人間を除外しちゃうけど、宇宙空間ってのも潜水艦と似た、一見広いようで狭くて閉じ込められた環境なのね。ただ潜水艦と違うのは、宇宙はほんと、いろんな人間が行く可能性がある世界。だからこそ、こういう宇宙飛行士候補生もいてもいいと思う。というか、いないと宇宙開発はほんとうの意味で開発にならないと思う。
 宇宙に行くのは今のところ心臓外科医とか優秀なエンジニアとか航空機パイロット、優秀な科学者とかがほとんどだし、そのほとんどがすごく苛酷な訓練を経て、記者会見で政治的なことをうっかり喋って問題にならないようにする訓練すらも受ける。だから、その精神的な内奥は、普通はなかなかあまり描かれてないのかもしれない。だからこそ、これはその段階から先に行く時代の話なんだと思う。そこで、いい視点だと思う。なにより普通の人に地続き感がある。
 だからこそ、これからどうやってまとまっていくのか。今回の展開がどう結ばれていくのか。先にさらに期待させられる。


こちら海老名市役所なんでも課


婆雨まう

 海老名市役所! うわあ、うちの近所だよ。というか役所としては実は私、お勤め仕事として個人的に遠からずなのです……。
 で、なんとなく読む前から予想してたけど、それ以上にワイルドでした……。でも、エッセンスはわかる。わかるけど、ワイルド。いい意味でぶっ飛んでる。
 そりゃそうだ、「踊る大捜査線」の湾岸署みたいな警察署はない。似たように、現実にうちの近所の宮ヶ瀬ダムだと、橋から飛び降りた水死体を見て、相模原署と厚木署で「あれ、流れの具合によっちゃ、厚木署のものになるよなあ」という話になったりしてるけど(「踊る」映画であったシーンそっくり)、でも厚木署も相模原署も湾岸署ではないのね。リアリティとリアルは違う。そして、リアルなんか書いたところで、そんなもんは新聞とかテレビとかで報道されちゃうし、第一そういうものの中の人は、ちっともおもしろくないのね。実際警察の方に取材すると、案外「西部警察」のほうが「踊る」より好きという人がいたりする。
 そういう風味で、海老名市役所、というより「西部市役所」な感じかもしれない。でも、実際やってることとか、その経緯はじつは似たようなところがある。ただのフィクションとただ笑えないところが現代なんだよね……。そういう意味で、リアリティとリアルを勘違いしてるとぎょっとするかもしれないけど、でもそこを踏まえてれば、なるほどな、と思うところも。
 ただ、このサンプルのような定義の部分もさることながら、毎回、その後の展開で一気にぐぐっとくるタイプの作者だと思うので、サンプルだけど続きに期待させられる。展開の部分がほんと、楽しみなんだよね。


悪魔とドライヴ ビッチェズ・ブリュー


ヘリベマルヲ
 
 うぐぐ、攻めてるなあ。これも独特の世界だなあ。書き込みもしっかりしてるけど、その焦点になりやすいそのシーンがなかなか怖い感じ。群雛のなかで書ける範囲を広げようとしてるなあと思う。この作品も、私からあれこれ言うよりも、読んで感じて欲しい作品だと思う。独特の魅力があるけれど、それはこの作品の本文を読んでこそわかるものだと思うのです。
 思ったんだけど、これもまた学校が舞台の半分で、しかも学校教師の話なんだけど、これもまた個性がすごく出てて、他の作品と読み比べるとすごく楽しい。
 この国語の先生が授業してる教室に、髪の毛探偵がいて、なおかつ少年Aがいる風景を妄想してしまうと、もう止まらなくなってしまうのです。高校とかって、すごくそういうとんでもない空間だったんだなあ、と今更になって思うのです。
 この国語の先生の容姿を想像するとまたいいし、実は最後にむけてのこの二人、生徒と先生の関係を見ると、また面白い。この女の子は何かの暗喩になってると思う。言うなれば……おっと、それは読んでから考えてみてほしいなあ。


LANDLADY


澤俊之

 ギター小説というのがあるのかと以前書いたけど、今回も音楽が感じられる。映像が浮かぶ小説に慣れてるけど、音楽が浮かぶ小説にはあまり出会ってこなかったので、毎回興味深い。しかも今回は演奏シーンがない。インタビュー通り。でもギターの魅力が伝わってくるから面白い。物語として登場人物が魅力がある。
 それと、なんか、出てくるだし巻き卵がすごく美味しそうに思えた(笑。料理っていいよねほんと。ちなみにいい作品の条件に、出てくる料理が美味しそうに書けてること、ってのを上げてる人がいたような。たしかに文豪って美味しそうな料理をしっかり美味しそうに書くよね。
 読みやすくてそれでいて世界がしっかりあって、なんか作中の楽器屋さんで登場人物と一緒に日々を過ごすような感じで、ほんと、楽しく読めました。素敵でした。



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月詩夏人

 この作品も高校生の話。でもまた髪の毛探偵とも辻Q先生とも少年Aともまたちがう個性。総称系の高校男子と女子。なんか坂本真綾の世界を思い出しちゃったよ。放課後のバーガーショップ、みたいな。ああ、私にもこんな時代があったなあ。
 はじめて書いた小説とのことだけど、安定感があるのがすごいと思う。どこか書き慣れてる感じが。サンプルだけど、十分本文にも期待できると思う。淡いこういうのも好きなんだよね。


表紙


mie

 ほんと、表紙に恵まれてる月刊群雛である。毎回違う人なのに、群雛らしいカラーが出てて、それでいてイラストレーターのカラーも調和してるのがすばらしいよね。
 そしてクリスマスだねえ。(´;ω;`)ブワッ(何故


あとがき


 TANABEさん、いつもいい仕事、ごちそうさまです。葉巻ですかー。シブいなあ。晴海さん、椎名林檎はいつも仕事キッチリの人ですよね。ライヴ楽しんできてくださいー。竹元さん、ほんとおつかれさまですー。私も何故かお勤めで編集っぽい業務もあるようになって、すごくその感覚納得ですー。鷹野さん、次のステップ、あせらずに進んでいくといいですね~、なにか私にはまだわかりませんが期待。というか鷹野てんてー!(笑



総括


 書いたよ、ここまで…7000字超えてるよ…。ごめん、長くて。
 でもほんと、さらに特に今回、こうして語りたくなるような力作揃いでした。クリスマスプレゼントに是非!(笑
 ますます本の中がさらに有機的に繋がってる感じがしてきて、さらに弥栄弥栄であります。ほんと、そういう存在っていいよね。いい意味で意識しあって、頑張れる場があるのって。創作ってのはすごく孤独な作業だし、そこで自分を見失いやすいし、すぐ暗黒面に落ちそうになるし。いや私がそうなんですが。なかなかしんどい。
 そういう意味で、「月刊群雛」はほんと、稀有な存在だと思います。これからも続いていってほしいと毎回思います。


 というわけでこの「月刊群雛」2014年12月号ははこちらより買えます。いろんな電子書籍書店で扱ってるので、ぜひ。

月刊群雛 (GunSu) 2014年 12月号 ~インディーズ作家を応援するマガジン~ | 紹介ページ


#ちなみに次回(1月号)と次々回(2月号)、私も参戦すべく作品用意してます。もうすでに書き終えてたり。
 さあ、これから怒涛の年末進行。群雛は無事1周年を迎えられるのか。鷹野さんのヒミツ計画は何なのか。次回「月刊群雛、はじめての年末」。次回も、サービス、サービスぅ。(結局これでしかも古い…ヒドくてすまぬ)




あと、追記。


 今回の「異形者」、もうこれは、もう、「日本にラヴクラフト級ホラー作家出現!」って帯書いちゃっていいほどの大傑作だと思う。

 私が大昔、「ポストエヴァンゲリオン時代のラディカルハードSF」と言われちゃったぐらいなんだから、十分その資格はあるはず。というか、どこか、私なんかじゃない、もっとまともな専門の書評家がそろそろ月刊群雛の作品を本気で話題にしていい頃だと思うんだけども。
 こういうところで腰が引けるのが私の読書量の少なさとかの書評についての力不足が出ちゃうんだけども。書評は力仕事なんで、力のあるヒト、是非「月刊群雛」の書評に挑戦してほしいと思う。いやほんとうに。

 作者さんも言ってるらしいけど、私も思うところあって、ラヴクラフトを継承しない、という意味でポストラヴクラフトではないのね。確かに。
 ポスト、なんて甘いもんじゃない。本気で全く別の地平開いちゃうところだもん。とにかくすごい。
 あと、群雛全体も、前回で幾つか巣立って行く人が出そうな予感感じてたけど(ちょっとそれですこし寂しかったのもあり。実は正直)、それが今回、いい意味で全体のハードル上がって、単なる雛の巣じゃなくなってきてる感じなのね。
 今後も雛、という単に甘い感じには決してならないと思うのね。
 私もレビューの中に少しずつ、そうならないようにという思い込めてるけど、前回の笠井さんの作品とかはすごくモチーフが良かったので、これは本格的な文学の場になりうるな、と予感してたし。だから笠井さんにああいうレビュー書いたんだよね。あの人のモチーフはすごく深みに行けるものだし。
 あれ、どう伝わるかすごく心配だったけど、伝わった感じだから、私も嬉しいのね。
 特に、今回の「異形者」はその中で画期的だけど、でも群雛という性質の場では、今思うと、寂しさとともに、なにか、こういう凄いのがでてきてくれる感じがしてた。でも、それを実際にしっかり書いてくれたのがすごく嬉しい。
 ほんと、ホームラン級だもん。


 内心、これ読んで、小話ばっかり書いちゃダメだな、と自分を反省してしまうところもありだったりする。もっとがんばんなきゃね>自分。

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