2016年10月3日月曜日

周遊列車「あまつかぜ」を作る(7)Excel作業? 模型で? 鉄道のお金を妄想してみる。



 Excelは模型に使える。といっても、セル幅がミリ単位で設定できるのでデカール造り、というのではなく。

 鉄道の値段について、ちょっと計算。

 ちょっと時間があったので、優等列車の車両導入費の話を考えたのね。

 まず、民間企業が原価積み上げで予算なんか設定しないはずなので、(そんなことしたら結果青天井になってまともな経営ができるわけがない)、幾つかの拘束要素から、何らかの係数を使って車両導入予算を決定しているのではないか、と考えて、調べてみた。


支出

 車両導入費
  これは要検討材料。

 電気代・燃料代・保線など施設費・線路維持費
  これは運賃でペイできるようにしているはず。
  よほど特殊な動力でもなければ、一般車両と変わらないのでは。
  優等列車の導入で、運転士や車掌に運転経費に大幅に差し障るほどの特別手当を出すとは思えない。
  保線や施設費も、新規で優等列車を走らせるからといって新規で大きな投資はしないと思う。

 車両クルーの教育・維持資金
  小さな鉄道会社だと心配だけど、大手鉄道では新車を走らせるにあたって全くの新規採用はしないと思うし、運転休止するとしても退職はさせないと思う。
  そういう人件費は全社的な負担であって、新車導入時に追加支出としては大きく計算しないと思う。もしかかるとしたら下の料金のところで取り返せる設定をすると思う。

収入

 車内販売など
  車内販売のコストは車内販売費で賄うと思うので計算しなくていいと思う。
  赤字の場合は補填するだろうけど、販売をやめてしまうこともできるので。

 料金収入
  特急料金
  寝台料金
    これらはすでに決まっているのでいじれないけれど、
    車両の席割り・部屋割りなどで設定次第の部分がある。
  周遊列車などの料金
   これは大いに設定次第のところはある。


 で、運転支出と運転収入はだいたい釣り合うと考えた。
 たぶんこれは一定の成長はしてもここでは大きな要素と考えない。

 突然車両を導入して倍とかにいきなり鉄道経営は成長はしないし、それを見込む経営、車両の導入はしないと思う。なってくれればいいとは思うだろうけど、基本的に大損はしない感じに判断するんじゃないかな。


 売上収入については設定次第のところがあるけど、固定されているところも大きい。

 そこで、(車両導入費)/(運賃収入+料金とか収入)の比をざっくり考えてみた。

 車両導入費はググれる限りググッて調べたけど、数字の信憑性はどうかなあ。

 運賃、料金、定員は調べられたけど、車両価格は公表されてるのと推測が混在しているので、なにかの議論の根拠に使うのはやめてね。そんな厳密な正確性・信憑性はないからね。

 

 というわけで、ざっくり。

近鉄特急しまかぜ

 車両費18億5000万円(1両3億833万)
  /((4810円(運賃+料金)*138席(満席定員)=1運転160万円)
   *1日1往復*年200日運転(概算)
    =1.93

小田急ロマンスカーVSE

 車両費17億5000万円(1両1億5千万)
  /((2080円(運賃+料金)*358席(満席定員)=1運転74万4640円)
   *1日2往復*年330日運転(概算)
    =1.78

小田急ロマンスカーEXE
 車両費10億8000万円(6連)
  /((2080円(運賃+料金)*358席(満席定員)=1運転74万4640円)
   *1日2往復*年330日運転(概算)
    =1.10

JR西日本287系
 車両費5億6000万円(4連)(1両1億4000万(推測))

  /(京都ー豊岡)4150円(グリーン車)*15人+2590円(普通車)*152人=1運転59万3200円
   *1日2往復*年330日運転(概算)
    =1.46

しおさい・わかしお255系
 車両費13億円
 /(東京-銚子)自由席3610円*472人+指定席4150円*50人+グリーン席5670*42人
      =1運転216万9120円
   *1日2往復*年330日運転
    =0.91(運転収入を70%で考えると1.30。銚子のあたりあんま乗らないもんねえ)

成田エクスプレス253系
  車両費9億9600万円(6連)
 /(横浜-成田空港)普通車266人+グリーン車24人
      =1運転128万1060円
    =1.18

スーパーあずさE351系
  車両費24億円(1両2億*12両)
 /(東京-松本)普通車423人+グリーン車50人
      =1運転274万9500円
    =1.13

サンライズ出雲
 車両費17億5000万円(1両2億5000万)
  /(東京-出雲)(各種寝台料金*各寝台乗客数)+((特急料金+運賃)*158人)
      =1運転341万6800円
   *2日で往復*年330日運転(概算)
    =1.55

北斗星
 車両費11億6000万円(機関車2億5000万円+客車8000万円*12両)
 /(上野-札幌)(各種寝台料金*各寝台乗客数)+((特急料金+運賃)*219人)
      =1運転610万6550円
   *2日で往復*年330日運転(概算)
    =1.15

トワイライトエクスプレス
 車両費10億円(機関車2億5000万円+客車8000万円*11両)
 /(大阪-札幌)(各種寝台料金*各寝台乗客数)+((特急料金+運賃)*152人)
   *2日で往復*年330日運転(概算)
      =1運転376万4040円
    =1.61

カシオペア
 車両費14億5000万円(機関車2億5000万円+客車1億円*12両)
 /(上野-札幌)(各種寝台料金*各寝台乗客数)+((特急料金+運賃)*152人)
   *2日で往復*年330日運転(概算)
    =1.40

ななつ星
 車両費(総製作費)30億円(機関車4億円+客車3億7000万*7両)
 /(1ツアー平均80万円*定員28人)=1運転2240万円
   *年70回運転
    =1.91

 ななつぼしウエディング=1280万円
  1280万円/ウエディング参加者16人=80万円(1ツアー平均と合致)
四季島
 車両費(推測)45億円(1両4億5000万?)
 /(1ツアー平均95万円*定員34人)=1運転2261万円
   *年70回運転
    =1.99

或る列車
 車両費6億円(1両3億円)
 /1運転160万円
   *年200日運転
    =1.88

 考えてみると、或る列車、べらぼうに車両費高いよね。リニューアルなのに1両3億。丹後の海とかくろまつの改修費見ると1両4000万とか5000万円だもん。貧乏私鉄に優しいリニューアルだよなあと思う。ちなみにオハネ25の新製が6500万円らしい。客車は安い。ゆふいんの森とかの気動車の新製は1億8千万から2億円かかる。
 でも或る列車、係数見ると1.88。ななつ星程度にはちゃんと回収はできそう。

 とりあえずリニューアルは安く、新製は高い。そして個人的にだけど、作ってイメージ変わったね!と思ってもらえるにはやはり新製した方がやりやすい。ただ、それを実車でやるのは高いよなあと。
 リフォームでイメージを変える難しさを思い知ったのでした。



 で、だいたいこの係数レートは1.1から1.9の間に落ち着いているようだ。

 在来線特急は1.1-1.7、寝台列車は1.3-1.7、周遊列車が1.9ぐらいだというイメージになった。

 北斗星は1.15、カシオペアが1.40、サンライズが1.55、トワイライトが1.61というばらつきはあるけど、トワイライトと北斗星・カシオペアの車両費は推測だからなあ。




ちなみに新幹線をみてみると、

H5系はやぶさ
 車両費45億円
 /(東京-新函館北斗)
   グランクラス40860円*18人、グリーン車30580円*55人、普通車22690円*658名
    =1運転最大1734万7430円
   *1往復*年330日運転
    =0.39


 であり、同じ満員の北斗星(上野ー札幌)に比べると、北斗星の3倍の速さで車両の元がとれる。

 年間収入は北斗星の11.3倍。はやぶさの乗車率が半分でも北斗星の1.4倍の速さでもとがとれてしまう。
 そりゃJR北海道とJR東日本が北海道新幹線走らせたがるわけだよと思う。


 ちなみに、
700系新幹線
 車両費40億円
 /(東京-博多)
   グリーン車30080円*200人 普通車22950円*1123人
    =1運転最大3178万8550円
   *1往復*年330日運転
    =0.19

 ひいいい。こんな暴力的にもとが取れちゃうのか……。

急行銀河
 車両費7億500万円(新製時)
 /(東京-大阪)
   A寝台39580円*14人+B寝台16070円*238人
    =1運転437万8780円
   *2日で往復*年330日運転
    =0.98
 い、いや安いけどさ、700系新幹線と比べちゃうと、相手が悪すぎるよね。

 車両導入費と運転収入だけから見ると、新幹線の車両費は高くても、収入と回転率で銀河の2.5倍で元が取れ、収入は7倍だもん。
 しかもこの計算の銀河の24系の車両費、新製の安かった頃の値段なんで、新車に置き換えたら?
 いや、これじゃ、絶対しようと思わないよね。新幹線の方が暴力的に儲かりすぎる………。



 というわけで、ここから本題。(長い……)

 ななつ星がだいたい1.91、四季島も1.99っぽいので、これを軸にうちの作っているオリジナル周遊列車あまつかぜの定員を考えた。

 あまつかぜ、寝台車が11両中3両しかない。ほかは食堂車とかロビーとかジャグジー付きプールとか展望車なので、乗って楽しいけど、定員にはならない。

 11両中、電車豪華車両かつ大改造した車両と新造車両でだいたい1両3億7000万かかっていると考えると、編成で40億7000万円ほどかかるはず。

 係数1.91で考えると、年間収入は21億3089万円は必要ということに。

 年間運転回数はななつぼしや四季島と同じく70回と考える。

 となると、初期案、サンライズの車両を1両6人の寝台車に改造、

  6人-4人-2人(特イ)-6人 で18人だと、

 3泊4日で1人169万円!!


 おかしいって! これ! 高すぎるし、18人で11連の列車使うのもおかしい。



 で、考え直した。


 10人-10人-2人(特イ)-10人で32人とすると、

 3泊4日で1人95万円。



 ちょい高いけど、32人も乗れば少し賑やかかな。


 ただ、1両10人は狭くないか?と思った。詰め込みだよなあ、って。



 でも、そこは考えたんだけど、


 トワイライトのスイート車は、SA2(スイート)*1、SA1(ロイヤル)で4の6人定員だけど、

 このスイートとロイヤルは補助ベッドでもう一人寝られる。最大11人乗れる。

 カシオペアのスイートも、実は11人乗りできる。

 あと、かつての北陸のA1寝台は1人個室が11室。

 あけぼののA1個室も11室だけど、補助ベッドがそれぞれあるので22人乗れる。



 あけぼのA個室は乗ってみたけど、1人利用なら結構ゆったりしてたなあ。

 パブリックスペースがあれば、代わりになりそうな。


 つまり、

 今回あまつかぜに装備する寝台車は、3両とも定員10人、2人個室5室の寝台車にすればいいことが判明。



 ……うう、ここまで長くてほんとすまん。
 でも、全く根拠の無いものを作るのは、かなりキツイのです。


 ほかに、先頭車両と中間ロビーの仕様も決まってきました。


 編成はこんな。




1  O    クモイテMH585-2(O) トレインテラス大阪

2  B    モイバMH585-1(B) トレインスパ湯河原

3  L    モイラMH586-101(L) ロビーカフェ京都

4  SA2  サロネMH586-101(SA) 2人*5室

5  SA2  サロネMH586-1(SA) 2人*5室

6  SSA2 サイネMH585-1 2人*1室

7  C    サイチMH585-1 チャペル「千代田」

8  SA2  サロネMH586-1(SA) 2人*5室

9  L    モイラMH586-1(L) ロビーカフェ東京

10 D   モイシMH585-1(D) ダイニング茶寮「かぐら坂」

11 O   クモイMH585-1(O) ビューラウンジ横浜




 MHはマルチプルハイブリッド、のつもり。585系寝台列車を名乗ることに。

 2両目のモイバはバスルーム。展望風呂になる予定。

 6M5Tだけど、動力どうするんだこれ。

 あと、寝台車がロネ。イネではない。10人乗るからね。

 サイネは特イ寝台。

 サイチはチャペルカー「千代田」。サチ(幸)あれでめでたい。

 クモイテはオープンテラス付き。



 というわけで、こんな計算をしてみました。




 ちなみにこの間にWindows10 1607アップデートでDisplayLinkのドライバが使えなくなってディスプレイが一つ使えなくなったり、ノートPCがUnyfyingレシーバー(ロジクールのワイヤレスマウスとかに使うヤツ)をつけたままだと起動してもログイン画面にいけないとか、

 Windows10の不具合を堪能しておりました……。

 まあ、MSのいつものことだけどね。

 ほかに実質的に選択肢なんかないからやりたい放題だよね、MS。


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