今回はしょっぱなから概観を。
・まず、応募数・掲載数が増えたのがすごく嬉しい。レギュレーション変わって、みんなしんどいはずなんだけど、それでも応募するって気持ちのある人が多いのがすごく素敵。向上心があるなあ。でも、これまでこういう場があんまなかったような気もするので、レギュレーションの変更は正解だったんだろうなと。編集スタッフ側も凄まじくしんどいと思うけど、でもその成果は読めばわかる。確かに質も確かに向上してる。ほんと、お疲れ様です。よくここまでこれたよなあ、と感慨すら抱いてしまう。
・バリエーションも増えた。いい意味での「福袋感」が戻ってきた。もともと雑誌ってのは本来そうあるべきだったんだよね。誰かを目当てに買ったとしても、『おや、こんなの書いてる人がいるんだ』って出会いがある。著者と読者の間の橋になってくれて、なおかつ掲載著者が団体戦みたいになるのがいいよね。すごく雑誌本来の姿になってきたと思う。
・あと、レビュー書く人も増えた。私ぐらいしかいなかった時期があったけど、今は何人も、しかも私よりずっとシャープに読んでる人が増えた。これも雑誌としてすごく幸せなことだよね。
・もうこうなると、私の方から下手くそなレビューをさし上げるなんてのはおこがましいというか、僭越というか、申し訳ないというかに思えてくる。著者と編集スタッフの努力もすごくわかるから。もう、レビューではなく、素晴らしい物語との出会いに感謝状、というところなんだろうと思う。
・で、本当は雛の四季報の2号出して、それでレビューから離れようかと思ってた。正直。
・でも、やっぱレビューというわけでもないかもだけど、読書メモぐらいは残そうと。やっぱり買って読んで面白いから。
・ほんと、一旦離れる気を上書きしちゃうほど、読んで面白かったの。
・というわけで、感想いきます。
すごく勉強になる。当たり前かな、と思ってたけどプロもやるのか、と思うレベルから、おおっ、それは実際やってみよう! と思う具体的なノウハウまで。
校正は大事。セルパブでも。だって、キメのクライマックスシーンで字が間違ってるとか、もうそんなの目も当てられないもの。で、案外そういうところにミスが入るんだわ。ノって興奮して書いてるから、そういうところにこそミスが入り込みやすいの。すごく怖い。リスクマネジメントとしての意味はそこだろうと思う。
そして、言葉をエンパワメントするってのは、ほんとある。つい単調にポンポン書いてしまうことをぐっと掘り下げて引き出しバンバン開けてより良い文章にするのって、校正作業ならでは。一人の知恵だとそこに気づかないのです。
やっぱり校正作業というのは不滅だな、と。「疑わしきは罰する」とか、「人に聞く」なんてのもすごく納得。やっぱり著者の手を離れた本は、読者に対して書かれた文章だけで生き残ろうとするんだから、送り出す著者としてはできるだけ武装させてあげたいものです。つまんない誤字で評価さがるのはすごく悲しいしもったいないよね。あんまりミス多いと内容もアタマに入らなくなるからね。
内容も大事だけど、その内容をよく伝えるのも含めて作品作り。ほんとそう。
すごくシャープ。いつもの持ち味出てるよなあと感心。ブラインドサッカー自身は「銀河へキックオフ!!」ってアニメで知ってたけど、それを文章で、しかも観戦する側から書くのが興味深い。視界なしで音と気配だけのサッカー。歓声を上げたくなるプレーがあっても、プレーを邪魔してしまうので歓声はあげられない。プレーが止まった時だけの歓声。でも、それがすごく緊張感と締りのあるスポーツ劇場になってるのがよく伝わってくる。
そしてそれを愛する気持ちが好ましい。スポーツって、ほんと、いいよねえ。ほんと。やるのも見るのも素敵。シャープにそれが書けてるのがいい。私も見に行きたいなあ。作者のスポーツ愛が過不足なく伝わってくる。タイトルの「先の光」の意味も見えて秀逸。いい。
そして、なんと今回はサッカーがもう一つ。こっちはU-12の子どもたちのサッカー。サッカー小僧たちの群像。
この著者のかわせさんといえば『ケッタ・ゴール!』というマンガ描いてたので、ほんとサッカー知識豊富確実で、私も読んで随分勉強になった思い出が。
今回は連載初回。世界観の構築の安定感はさすが。でもU-12といってもスポーツは競争なんだよね、というところでちょっと切ないところでワサビも効いているし、サッカー選手の世界もかいま見える。読みやすさを合わせてくるのも流石だなと。
というか、この構成って、ほんと戦記物なんだよね。サッカーを舞台にした戦記物。だから燃えるし、切ないし、凱歌があがれば悲痛な負けもある。喜怒哀楽あるし、そこでカタルシスも生まれる。スポ根って言葉で一括りにしちゃうのはもったいない。この主人公がテストを経て、どうやって戦い、戦いぬくか。そしてどう最後のカタルシスがくるか。初回だが、これは続きが十分期待できる。続きが楽しみ。
SF掌編。すごく密度が高くて構成もこってるので、飛ばし読み厳禁の作品。でも凝るのがわかるほどモチーフがいい。もうすこし密度と速度が調整できればさらにこの優れたモチーフがはっきりすると思う。
でも繰り返し読めば読むほどよく内容が詰まってるので、はっきりさせるとこの密度感が弱まるかもというのが、また実に難しいところ。
でも、この著者にはそのバランスを取った作品を書く力があると思う。
もっと自信持って書いていいんじゃないかな。モチーフ選びのセンスは秀逸なんだから。若干のテクニックと自信を持つことで、この著者はさらに『化ける』と思う。また期待度が上がった。楽しみ。
チチテロ(爆笑) というか、今時のSNSをめぐっての話なんだけど、生々しさよりもこの主人公のおっさんのウブさというかがかえって面白くなっちゃった。いや、そんな相手にホントのアカウント使っちゃダメだろ、とかツッコミ入れながら読んでしまった。でも、冷静に見るとすごくホラーな展開がありえるだけに、それを回避したのが、この著者の持ち味なのかなと。
私もおっちゃんだから、こういう話はつい下世話な好奇心発動しちゃうんですよ。XVI*EOとかこっそり見ちゃうし、『艦これ』はやらないのにDMMにアカウント持っちゃってるから。ほんと、うわあ、と思いながら読んじゃった。少し物足りなさがあるかもだけど、でもこれ、ホラーにしたり推理にしたりドキュメントにしたりするとすごく重たくなってしまうので、こういう回避もアリなのかなと。
でもほんと、この著者、いろんなことやってるなあ……まだまだ手駒にいろんなネタを持っていそうで興味深い。
すげえ、GoogleIMEで「たかのりょう」と入れると予測候補に出るっ!(ホント)な編集長のコラム。
しかし、ほんと、世にSNS炎上の種は尽きまじ、だよねえ。怖くてSNSなんか使えないと思うことも多いけど、結局は距離感なんだよね。でもそれを見誤りやすいのもSNS。公開範囲指定? ええ、飾りです、だもん。炎上したら必ず再共有して拡散されちゃうもんねえ。しかも自分なんか市井の一般人だもんねー、と思ってると「ドーン」って炎上したりする。で、消してもダメ、謝罪してもダメという炎上のよくある風景。
まあ、SNSも現実の延長だからねえ…(トオイメ)。ほんと、そういうのをよく見てるなあと思うコラムでした。
人工知能が落語を理解できるか、って、おおー、今丁度ディープラーニングだのアルファgoだのAIの作品が星新一賞予選通過だのと話題になってるところにタイムリーなモチーフ。この機動力がいいよね。
途中でけっこうロボットのパラドックスとか自我と身体性とか、そういうテーマがさらりとしながらきちっと押さえられてるのもいい。AIの処理の解釈もいい。そういうプログラム的なところは、うぬ、プロの仕業だな、と思う所も多い。
でも、ほんと、なんといってもオチが秀逸。
すげえ。良いオチだ……。
ナイス切り返し!! これは鮮やかだと思う。いいねえ。
あとの著者情報見ると、そういう工学、プログラミング系の知識がある著者なんだなとわかって、すごく納得した次第。でも初めてでこれなのか……。今後続けて書いていくのがさらに楽しみ。
これがねえ……ほんと、すごくきっついー。きっついけどよく出来てるー。
というか、この著者の怖さの作り方、いつもながら秀逸なんだよね。イジメのシーンとか、ああ、あるある、って話なのに、この著者が書くと、シャープにすごく怖くなる。まさに文体と演出の妙だよね。
こわいこわいこわいぞー、って畳み掛けても怖くないどころか、はいはいこわいですよ、って読者に見放される例があるのに、この著者は逆。一瞬でメガバンクの研修風景がすさまじいホラーの舞台になって惹きつけられる。ほんと、この著者はホラー色を自在に作れるんだろうなあと。過不足なく陰湿さも怖さも不条理も書ける。まさに技量だなと。
全体の物語としての暗さも狙いのうち。企業や人間の不条理さを描き出すモチーフなのだから正解だと思う。この話で中途半端な甘さを排除した判断も優れている。
不条理はどうやっても不条理だもんねえ。それをくっきりさせるのは、もはやしっかりと確立しつつある作家的個性だと思う。
映画『フルメタルジャケット』のリー・アーメイばりの新兵教育風景! でもそれがちゃんと作者の世界にフィットしていて、読んでてアタマに浮かぶ絵がちゃんとこの著者独特のSFのシーンになるのね。世界構築がしっかりしてるので安心しつつ、途中のくすぐりも楽しい。というか、映画だとひたすらきついだけのシーンだったのが、笑えるシーンになってる。
・というわけで、感想いきます。
セルフパブリッシングのための校正術 大西寿男
すごく勉強になる。当たり前かな、と思ってたけどプロもやるのか、と思うレベルから、おおっ、それは実際やってみよう! と思う具体的なノウハウまで。
校正は大事。セルパブでも。だって、キメのクライマックスシーンで字が間違ってるとか、もうそんなの目も当てられないもの。で、案外そういうところにミスが入るんだわ。ノって興奮して書いてるから、そういうところにこそミスが入り込みやすいの。すごく怖い。リスクマネジメントとしての意味はそこだろうと思う。
そして、言葉をエンパワメントするってのは、ほんとある。つい単調にポンポン書いてしまうことをぐっと掘り下げて引き出しバンバン開けてより良い文章にするのって、校正作業ならでは。一人の知恵だとそこに気づかないのです。
やっぱり校正作業というのは不滅だな、と。「疑わしきは罰する」とか、「人に聞く」なんてのもすごく納得。やっぱり著者の手を離れた本は、読者に対して書かれた文章だけで生き残ろうとするんだから、送り出す著者としてはできるだけ武装させてあげたいものです。つまんない誤字で評価さがるのはすごく悲しいしもったいないよね。あんまりミス多いと内容もアタマに入らなくなるからね。
内容も大事だけど、その内容をよく伝えるのも含めて作品作り。ほんとそう。
念じた先の光 和良拓馬
すごくシャープ。いつもの持ち味出てるよなあと感心。ブラインドサッカー自身は「銀河へキックオフ!!」ってアニメで知ってたけど、それを文章で、しかも観戦する側から書くのが興味深い。視界なしで音と気配だけのサッカー。歓声を上げたくなるプレーがあっても、プレーを邪魔してしまうので歓声はあげられない。プレーが止まった時だけの歓声。でも、それがすごく緊張感と締りのあるスポーツ劇場になってるのがよく伝わってくる。
そしてそれを愛する気持ちが好ましい。スポーツって、ほんと、いいよねえ。ほんと。やるのも見るのも素敵。シャープにそれが書けてるのがいい。私も見に行きたいなあ。作者のスポーツ愛が過不足なく伝わってくる。タイトルの「先の光」の意味も見えて秀逸。いい。
太陽のホットライン かわせひろし
そして、なんと今回はサッカーがもう一つ。こっちはU-12の子どもたちのサッカー。サッカー小僧たちの群像。
この著者のかわせさんといえば『ケッタ・ゴール!』というマンガ描いてたので、ほんとサッカー知識豊富確実で、私も読んで随分勉強になった思い出が。
今回は連載初回。世界観の構築の安定感はさすが。でもU-12といってもスポーツは競争なんだよね、というところでちょっと切ないところでワサビも効いているし、サッカー選手の世界もかいま見える。読みやすさを合わせてくるのも流石だなと。
というか、この構成って、ほんと戦記物なんだよね。サッカーを舞台にした戦記物。だから燃えるし、切ないし、凱歌があがれば悲痛な負けもある。喜怒哀楽あるし、そこでカタルシスも生まれる。スポ根って言葉で一括りにしちゃうのはもったいない。この主人公がテストを経て、どうやって戦い、戦いぬくか。そしてどう最後のカタルシスがくるか。初回だが、これは続きが十分期待できる。続きが楽しみ。
俺は宇宙人 淡波亮作
SF掌編。すごく密度が高くて構成もこってるので、飛ばし読み厳禁の作品。でも凝るのがわかるほどモチーフがいい。もうすこし密度と速度が調整できればさらにこの優れたモチーフがはっきりすると思う。
でも繰り返し読めば読むほどよく内容が詰まってるので、はっきりさせるとこの密度感が弱まるかもというのが、また実に難しいところ。
でも、この著者にはそのバランスを取った作品を書く力があると思う。
もっと自信持って書いていいんじゃないかな。モチーフ選びのセンスは秀逸なんだから。若干のテクニックと自信を持つことで、この著者はさらに『化ける』と思う。また期待度が上がった。楽しみ。
ウラ垢女子 リンリン よたか
チチテロ(爆笑) というか、今時のSNSをめぐっての話なんだけど、生々しさよりもこの主人公のおっさんのウブさというかがかえって面白くなっちゃった。いや、そんな相手にホントのアカウント使っちゃダメだろ、とかツッコミ入れながら読んでしまった。でも、冷静に見るとすごくホラーな展開がありえるだけに、それを回避したのが、この著者の持ち味なのかなと。
私もおっちゃんだから、こういう話はつい下世話な好奇心発動しちゃうんですよ。XVI*EOとかこっそり見ちゃうし、『艦これ』はやらないのにDMMにアカウント持っちゃってるから。ほんと、うわあ、と思いながら読んじゃった。少し物足りなさがあるかもだけど、でもこれ、ホラーにしたり推理にしたりドキュメントにしたりするとすごく重たくなってしまうので、こういう回避もアリなのかなと。
でもほんと、この著者、いろんなことやってるなあ……まだまだ手駒にいろんなネタを持っていそうで興味深い。
SNSでの炎上と表現の自由 鷹野凌
すげえ、GoogleIMEで「たかのりょう」と入れると予測候補に出るっ!(ホント)な編集長のコラム。
しかし、ほんと、世にSNS炎上の種は尽きまじ、だよねえ。怖くてSNSなんか使えないと思うことも多いけど、結局は距離感なんだよね。でもそれを見誤りやすいのもSNS。公開範囲指定? ええ、飾りです、だもん。炎上したら必ず再共有して拡散されちゃうもんねえ。しかも自分なんか市井の一般人だもんねー、と思ってると「ドーン」って炎上したりする。で、消してもダメ、謝罪してもダメという炎上のよくある風景。
まあ、SNSも現実の延長だからねえ…(トオイメ)。ほんと、そういうのをよく見てるなあと思うコラムでした。
まんじゅうほしい にぽっくめいきんぐ
人工知能が落語を理解できるか、って、おおー、今丁度ディープラーニングだのアルファgoだのAIの作品が星新一賞予選通過だのと話題になってるところにタイムリーなモチーフ。この機動力がいいよね。
途中でけっこうロボットのパラドックスとか自我と身体性とか、そういうテーマがさらりとしながらきちっと押さえられてるのもいい。AIの処理の解釈もいい。そういうプログラム的なところは、うぬ、プロの仕業だな、と思う所も多い。
でも、ほんと、なんといってもオチが秀逸。
すげえ。良いオチだ……。
ナイス切り返し!! これは鮮やかだと思う。いいねえ。
あとの著者情報見ると、そういう工学、プログラミング系の知識がある著者なんだなとわかって、すごく納得した次第。でも初めてでこれなのか……。今後続けて書いていくのがさらに楽しみ。
アニー 竹島八百富
これがねえ……ほんと、すごくきっついー。きっついけどよく出来てるー。
というか、この著者の怖さの作り方、いつもながら秀逸なんだよね。イジメのシーンとか、ああ、あるある、って話なのに、この著者が書くと、シャープにすごく怖くなる。まさに文体と演出の妙だよね。
こわいこわいこわいぞー、って畳み掛けても怖くないどころか、はいはいこわいですよ、って読者に見放される例があるのに、この著者は逆。一瞬でメガバンクの研修風景がすさまじいホラーの舞台になって惹きつけられる。ほんと、この著者はホラー色を自在に作れるんだろうなあと。過不足なく陰湿さも怖さも不条理も書ける。まさに技量だなと。
全体の物語としての暗さも狙いのうち。企業や人間の不条理さを描き出すモチーフなのだから正解だと思う。この話で中途半端な甘さを排除した判断も優れている。
不条理はどうやっても不条理だもんねえ。それをくっきりさせるのは、もはやしっかりと確立しつつある作家的個性だと思う。
ジョディ/スージー 波野發作
映画『フルメタルジャケット』のリー・アーメイばりの新兵教育風景! でもそれがちゃんと作者の世界にフィットしていて、読んでてアタマに浮かぶ絵がちゃんとこの著者独特のSFのシーンになるのね。世界構築がしっかりしてるので安心しつつ、途中のくすぐりも楽しい。というか、映画だとひたすらきついだけのシーンだったのが、笑えるシーンになってる。
だいたい教練受けてる訓練生、『体育座り』してる時点でウケるしかないというコミカルさ。普通直立不動だよね……。でもそれは意図的にやってるのね。だからそれにノッてしまえばあとはもう笑いの連続。ゲラゲラ笑う。ケッサクである。のびのびと書いてるな、ってのが読んでて楽しい。続けてこの世界読んでると間違いなく楽しい。
一言、美しい。豊かな表現を楽しむ作品。丁寧な作風で描かれるアンティークのような学校の風景がいい。歴史ある学校の内装が豊かな語彙で書かれている。
高校の卒業を迎える淡い心象風景が丁寧。その地の文の豊かさが、少ないセリフを効果的に演出して、その光と影の中に香る少しの寂しさが、ああ、青春ってこうだったよなあ、どっか激しかっただけに、過ぎ去っていくのが寂しいもんだよなあ、と。それがすごく綺麗で澄んだ感じ。
まさに文章のごちそうでした。素敵でした。
鳥籠の肖像
一言、美しい。豊かな表現を楽しむ作品。丁寧な作風で描かれるアンティークのような学校の風景がいい。歴史ある学校の内装が豊かな語彙で書かれている。
高校の卒業を迎える淡い心象風景が丁寧。その地の文の豊かさが、少ないセリフを効果的に演出して、その光と影の中に香る少しの寂しさが、ああ、青春ってこうだったよなあ、どっか激しかっただけに、過ぎ去っていくのが寂しいもんだよなあ、と。それがすごく綺麗で澄んだ感じ。
まさに文章のごちそうでした。素敵でした。
表紙イラスト
まさに卒業らしい図。季節的にもぴったり。私にもあんな頃もあったよなあ。遠い昔だけど、でも覚えているよなあ。とても華やかな図だけど、そこに香る寂しさがまたいい風味。結び
読んで楽しかったです。また新しいページが刻まれたという感じで、いいなあと。
ほんと、群雛に出会えて、良かったな、という思いもまた強く感じました。
ありがとう。
そして04月号がまた楽しみなのです。
そして04月号がまた楽しみなのです。
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