まずこれが白いボード。
これがブレッドボード。
穴があって、そこにこのウネウネのコードや電子部品を挿してつかう。
白いボードの中で、左の2列*5行の穴はずらっと1列が上から下まで電気的につながっている。
そして、右の5列+5列がたてに行をなしてるのは、5列の5つの穴は一つに電気的につながってる。
でも、ほかの方向には全然この白いボードの中はそれぞれ全然つながってない。絶縁されてる。
で、どう使うかというと。
5列にはプスッと線とかを差し込むと、ほかの4つの穴とボードの中で電気的につながる。
茶色の線は空中にあるので電気的に茶色の線の中しか電気が流れない。そして上の行の5つの穴で、その茶色の線のササッた1つの穴の他の4つの穴には上側から流れ込んだり、上側に流れ出たりする電気がつながる。
下側もそう。茶色の線が一つささると、その線のササッてない4つの穴とその線がつながる。
イメージ的には、線を挿すと、上下両側にそれぞれ4又に電気的につながって、さらに線や電子部品を繋げられる差し込み式接点ができるような感じ、にできてる。
だから、この茶色い線を抵抗器に代えて刺すと、
上と下の間で抵抗器が働いて、しかも上4穴と下4穴にさらに抵抗器だのをつなけられる。
この穴にさせる電極つきの電池ボックスを使えば、電源を供給できる。ACアダプタからの電気も流せる。
そうやってダイオードだのコンデンサだのLEDだのを全部ハンダづけなしに確実に電気的につなげられる。
だから、間違えても引っこ抜けばやりなおせる。
ハンダづけやハンダを溶かしてやり直す必要もない。
いちいちコードをねじってむすぶ必要もない。
プスッと挿せば確実に接続。抜けば取り外し。
だから回路の試作にはもってこいなのです。
すごい!
これは信号機の回路をブレッドボードに組んだもの。
左下の青緑のが、ゼロプレッシャーソケットというものにササッたPICというIC。プログラムを書き込んでおいてこのソケットに挿して電気を入れると、そのとおりのタイミングや順序でそれぞれのピンから電気を出してくれる。
で、その青緑の両脇にグチャグチャとあるのは、そのICのソケット経由で各ICのピンとつながたコード。
追いかけると真ん中の真っ赤なコードは、左下のICソケットからびろーんと伸びて真ん中にいって、穴に刺さっている。そのいっしょの穴5列には抵抗器がつながってる。
つまり、ICからの電気が抵抗にはいるようになってます。
そして、その抵抗器は溝をまたいで右の穴5列にもササッてて、間に溝があります。
ここの溝で右と左の穴5列は電気的につながってないのですが、抵抗器はその間をまたいでいるのです。つまり、電気はちゃんと抵抗器だけを通っていきます。
そしてその右の穴5列には、見えにくいけどLEDの片方の脚がササッてます。つまり、そこで抵抗器とLEDがつながっている。
で、LEDは赤い線をまたいでさらに右の穴2列の右の穴に入っています。ほかのLEDも同じように右の穴だけに入ってます。
この穴2列のほうは縦に全部つながってます。つまり、この縦方向の赤だの黄色だの緑だののLEDは、全部片方は一緒につながってるのです。
で、その穴2列の上をみると、茶色の線がササッてて、グーッと今度はボードの真ん中の2列・2列にいってますよね? この2列も縦だけつながってます。そしてその縦(青いラインが引いてある方ですね)すぐ上には黒の線があって、左上に行ってます。(ドバーッと斜めに長い黒い線があるのは紛らわしいのですがコレは関係ない)
左上はごちゃっとしてますが、ここの5列穴の一つに電源の片方が、その下の5列穴の下にもう片方がつながりますが、いまはつけてません。たまたま他で使っちゃってるので……。
で、オレンジの線がそのごちゃごちゃから、さっきの茶色の線と黒の線が一緒に縦につながってたところの隣、赤い縦ラインの側に来ています。
そのラインを辿って行くと……謎の青の箱に小さな白い爪が出ています。これはディップスイッチ。小さなスイッチですね。これにつながってます。
そのディップスイッチは、穴のないところをまたいで、今度は左側の5列につながり、そこで幾つものオレンジの線につながり、それは…ほら、ICに戻ってきました。
これを整理すると、電源からディップスイッチ経由でICにつながり、そのICから出たのが抵抗器を経由してLEDをまたいでまた電源に戻るようになってるわけです。
ぐるっと回るから回路なんだと思う。
そして、ザックリ言っても言わなくても、この回路は、
電源からの電気をディップスイッチで切り替えてIC(PIC)に流すと、
PICが動いてそのそれぞれのピンに電気がでて、
それが抵抗器でLED用に電流を制限されてLEDが光る。
という、ディップスイッチとPICと抵抗器とLEDしか使ってない、凄くシンプルな回路なんです。
(見る人が見るとCRDがあるじゃないかと思うだろうけど、さらによく見てもらえばそれは単にPICを経由しないでCRD通ってLED光らせて戻るだけのパイロットランプなので省略)
でも、この信号機はすごく複雑な動作をします。
青点灯
黄色に変化
赤点灯とともに右折優先灯点灯
赤点灯
コレと同時に歩行者用の信号機も
青
青点滅
赤
に切り替わり、他の方向はその間赤になってます。
で、全部が赤になると、方向が切り替わって動作。
それを繰り返してくれる。
しかも、ディップスイッチを切り替えると、
夜間の黄色点滅・赤点滅モード
優先信号なしモード
にもできる!!
すごくありません?
なんでこれができるかというと、
PICだから。
PICにそういうプログラムを書き込んであるから。
なのです。
で、プログラムはまたそのうち紹介しますけど、ミリ秒単位で点灯時間・点滅時間を調整したりできます。
しかもそれを、PCで書いたプログラムを修正して、ソケットからPICを外して、書き込み器で書き込んで、またソケットに差し込めば、そのとおりに修正されます。
それがPICなのです。
すごいですよ。なにしろプログラムなので、書けばその通りに動く。条件を書けばそれで切り替わる。さらに乱数も出せるのでランダムにもできる。点滅だけでなく、弱めることもできる。
でも、電気回路はほとんどいじらなくていい。一回組めば、あとはPICのプログラムを書き換えるだけ。
すごいの。
コレはモデラー心をくすぐるよねえ。
応用がいろいろ思いつく。
たとえば模型の建物のビルやマンションの部屋ごとの明かり。
これをバラバラにつけたり消したり、パラパラと付けて、消したりもできる。
夕方、各戸にヒトが帰ってきて、それぞれにパラパラと明かりが灯る。そして、夜更けになり、一つ一つ、パラパラと消えていく。
そんな演出もできる。
作りこんだ作例では、切れかけの蛍光灯みたいな明滅や、ホタルの自然な明滅もできる。
作りこめば作りこむほど、できていく。
そこが面白いのです。
ないものが作れる!
のです。
以上、ブレッドボードとPICの紹介でした。
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